「実家の屋根に太陽光パネルがのっているが、親が亡くなってから売電がどうなっているかわからない」「パネルがあると、売るときに高くなるのか、手間が増えるのか」。2009年に住宅の余った電気を買い取る制度が始まってから、屋根に太陽光パネルをのせた家が増え、そうした実家を相続して売る場面も出てきました。パネルは家と一緒に売れますが、売電の契約や名義、パネルの持ち主の確認など、普通の家にはない手続きがあります。
この記事では、太陽光パネルがある実家を売るときに確かめることと、手続き、買主への伝え方を解説します。
この記事の結論
まず、パネルが親が買った物か、リースや無料設置のように事業者の物かを契約書で確かめます。親の物なら、家の設備として買主に引き継ぎます。固定価格で電気を買い取ってもらう期間中なら、国への手続きと電力会社との契約の名義変更が必要で、相続したときも同じです。売電の振込先が親の口座のままになっていないかも確かめます。発電の記録や点検の状態、パワーコンディショナーの交換の時期を買主に伝え、解体して売る場合は、パネルの撤去と処分の費用を見込みます。
売る前に、何を確かめる?
最初に、太陽光パネルについて確かめておくことを見ていきます。
パネルは、誰のもの?
親が購入して設置したパネルなら、家の設備として親のもの、つまり相続人のものです。一方、リース契約や、事業者が無料で設置して電気を使ってもらう契約の場合は、契約期間中のパネルは事業者のものです。事業者のパネルは、勝手に買主へ引き継いだり撤去したりできないため、契約の引き継ぎや解約の条件を事業者に確かめます。親の書類から、設置のときの契約書や保証書を探します。
売電の期間は、いつまで?
住宅用の太陽光(10キロワット未満)は、固定価格で余った電気を買い取ってもらえる期間が、売電を始めてから10年間です。2009年11月に始まった制度のため、早く設置した家では、すでに期間が終わっています。期間が終わったあとは、電力会社などと新しい契約を結び、それまでより低い価格で売るか、家の中で使うことになります。今の契約がどうなっているかを、電力会社の検針票や通知で確かめます。
ローンは、残っていない?
パネルを設置したときのローンが残っている場合は、売る前に残りの返済をどうするかを決めます。ローンの契約によっては、家を売るときに残りを一括で返す必要があります。リースの場合も、途中で解約すると解約金がかかることがあります。
パネルの状態は、どう確かめる?
毎月の発電量の記録や、売電の明細があれば、パネルが正常に発電しているかの目安になります。パネルの電気を家で使える形に変えるパワーコンディショナーは、10年から15年ほどで交換が必要になることが多い機器です。設置からの年数、点検や修理の記録、メーカーの保証が残っているかを確かめます。台風や地震のあとは、パネルのずれや屋根の傷みも見ておきます。点検の進め方は台風・地震のあと、空き家で確認すべき5か所で解説しています。
相続と名義変更の手続きは?
親から相続した実家のパネルについて、必要な手続きを確認していきます。
相続したら、何をする?
固定価格の買取期間中に親が亡くなった場合は、相続人がパネルの持ち主として、国(経済産業省)への手続きと、電力会社との売電の契約の名義変更をします。家の相続登記とは別の手続きです。相続登記の進め方は相続した空き家の名義変更はいつまで?で解説しています。
売電の振込先は、どうなっている?
売電の代金が親の銀行口座に振り込まれる設定のままだと、親が亡くなって口座が止められたあと、代金を受け取れなくなります。電力会社に連絡し、振込先を相続人の口座に変えます。空き家の電気の契約をどうするかは空き家の電気・水道は解約していい?で解説しています。
空き家のままでも、発電は続く?
空き家でも、パネルは日が当たれば発電を続けます。家で電気を使わない分、多くを売電することになります。ただし、電気の契約を解約すると売電ができなくなることがあるため、解約の前に電力会社に確かめます。
当社の場合
太陽光パネルがある実家のご相談では、パネルの持ち主や売電の契約の状況を一緒に確かめ、買主に引き継ぐ場合と撤去する場合の進め方をご提案します。空き家の間は、外まわりの見回りを月4,000円(税別)からお受けし、屋根やパネルの見た目の異常も写真付きの報告書でお伝えします。
売るときの進め方は?
太陽光パネルがある実家を売るときの、伝え方と手続きを確認していきます。
買主には、何を伝える?
パネルを家の設備として引き継ぐことを、設備の一覧(付帯設備表)に書きます。あわせて、設置した年、容量、メーカー、売電の契約と残りの期間、発電の記録、点検や修理の記録、保証の残り、パワーコンディショナーの交換の時期を伝えます。売ったあとに不具合が見つかった場合の責任の範囲も、契約書で決めておきます。考え方は古い空き家を売ったあとで不具合が見つかったら?で解説しています。
買主への名義変更は、いつする?
固定価格の買取期間中に売る場合は、引き渡しのあとに、買主が国への手続きと電力会社との契約の名義変更をします。手続きに必要な書類を売主が用意することがあるため、引き渡しの前に段取りを決めておきます。引き渡しまでの準備は実家の引き渡しまでにやることで解説しています。
価格は、高くなる?
売電の期間が長く残っていれば、買主にとって収入が見込めるため、評価されることがあります。一方、期間が終わっていたり、パネルが古くて交換や撤去の費用がかかりそうだったりすると、価格にあまり上乗せされないこともあります。パネルを外したい買主もいます。査定の受け方は名古屋の空き家の査定はどう決まる?で解説しています。
解体して売る場合は?
家を解体する場合は、パネルの撤去と処分の費用が、解体の費用に加わります。パネルは割れていても日が当たると発電するため、扱いに慣れた業者に頼みます。売電の契約中なら、撤去の前に国と電力会社への廃止の手続きも必要です。解体の見積もりの見方は名古屋で空き家の解体費用はどう決まる?で解説しています。
当社の場合
太陽光パネル付きの実家の売却では、パネルの情報を付帯設備表と重要事項説明書にまとめ、買主の方への名義変更の段取りまでご案内します。早く手放したい場合は、買取のご相談もお受けしています。
太陽光パネルがある実家についてよくある質問
太陽光パネルがある実家の売却について、よく聞かれる質問をまとめました。
パネルだけを外して、家を売れますか?
パネルは外せますが、撤去の費用がかかり、屋根の補修が必要になることもあります。買主がパネルを使いたい場合もあるため、外すかどうかは、買主の希望を聞いてから決める方法もあります。
蓄電池もあります。
蓄電池も、親が購入した物なら家の設備として引き継げます。設置した年、容量、保証の残りを伝えます。リースの場合は、パネルと同じく契約の扱いを事業者に確かめます。
パネルの設置で、雨漏りすることはありますか?
パネルを屋根に固定する金具の部分から、雨水が入ることがあります。天井にしみがないか、屋根裏をのぞけるなら雨のあとにぬれていないかを確かめ、気づいた点は買主に伝えます。
売電の収入に、税金はかかりますか?
住宅用のパネルの売電収入は、一般に雑所得として扱われ、ほかの所得とあわせて一定の額を超えると、確定申告が必要になることがあります。相続したあとに売電の収入を受け取った場合は、税務署に確かめます。
兄弟で相続した場合、売電の代金は誰が受け取りますか?
実家を誰が受け継ぐかで、パネルと売電の代金を受け取る人も決まります。遺産分割で実家を受け継ぐ人を決め、その人の名義で手続きをします。分け方の決め方は実家を分ける遺産分割協議書の書き方と注意点で解説しています。
太陽光パネルがある実家は、パネルの持ち主と売電の契約を確かめることから始めよう
太陽光パネルがある実家を売るときは、パネルが親のものかリースかを契約書で確かめ、売電の期間と振込先を確認します。買取期間中なら、相続や売却のたびに国への手続きと電力会社との名義変更が必要です。発電の記録や点検の状態、パワーコンディショナーの交換の時期を買主に伝え、解体する場合は撤去と処分の費用を見込んでください。
名古屋で太陽光パネルがある実家の売却でお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。