この記事の結論
ガスは止めて構いません。水道は残してください。電気は、誰がどう管理するかで決めます。水道を止めると月1回の通水ができず、排水口の水(封水)が乾いて下水の臭いと虫が上がってきます。電気を止めると換気扇・エアコン・防犯センサーが使えず、電動シャッターや給湯器の操作もできません。「全部止めて基本料金をゼロにする」のは、家の価値を下げる方向に働くことが多いです。
親の家が空いたとき、最初に手をつけやすいのが「光熱費の解約」です。誰も住んでいないのに基本料金を払うのはもったいない、という気持ちは当然です。ただ、空き家の管理をしている立場から言うと、止めてはいけないものと、止めていいものがあります。順番に説明します。
ガスは止めてよい
ガスは解約して問題ありません。使わないガスは安全面のリスクでしかなく、残す理由がありません。ガスコンロやガス給湯器は、再開するときにガス会社の開栓作業で使えるようになります。
ひとつだけ、ガス給湯器がある家は、ガスを止めるだけでなく給湯器の「水抜き」をしておくと安心です。冬に中の水が凍って配管が割れる事故は、名古屋でも寒波のときに起きます。水抜きの方法は給湯器の取扱説明書に載っていますが、分からなければ巡回のときに当社で行います。
水道は残す
水道は残してください。理由は、空き家管理の中でいちばん効果がある作業が「通水」だからです。
止めると起きること
- 排水口の水が乾いて、下水の臭いが上がってくる。キッチン・洗面・浴室・洗濯機置き場の排水口には、下水からの臭いを止めるための水(封水)がたまっています。これは1〜2か月で蒸発します。乾くと、下水管と室内が直接つながった状態になり、臭いと虫(チョウバエ・ゴキブリ)が上がってきます。半年閉め切った家の「あの臭い」の正体は、ほとんどこれです。
- トイレの封水も乾く。便器の中の水も同じです。乾くと臭いが出るだけでなく、陶器に汚れが固着します。
- 水道管の中の水が腐る・さびる。管の中に水が残ったまま止まると、再開したときに赤水や臭いが出ます。
- いざ再開するときに手続きと時間がかかる。売却や賃貸で内覧するとき、水が出ない家は印象が極端に悪くなります。
残す場合の考え方
水道の基本料金は、使わなくても毎月かかります。それでも残すのは、月1回、全部の蛇口を数分開けて排水口に水をためる「通水」で、上の問題が全部防げるからです。基本料金は「家の臭いと配管を守る費用」と考えてください。
当社の場合
室内プラン(月8,000円・税別)では、巡回のたびに全部の蛇口を開けて通水し、排水口に水をためてから帰ります。この作業があるので、室内プランは水道の契約が条件です。外まわりプランだけの場合でも、ご家族が帰省したときに通水してもらえれば、水道は残す価値があります。
電気は、管理の仕方で決める
電気は、止めても家が傷むわけではありません。ただし、止めると次のことができなくなります。
- 換気扇・エアコンが回せない。巡回で窓を開けるだけでも換気になりますが、梅雨から夏は換気扇を回した方が湿気が抜けます。
- 防犯機器・センサーライト・タイマー照明が使えない。夜に明かりがつく家は、空き家だと分かりにくくなります。
- 電動シャッターが開かない。手動に切り替えられない機種は、内覧のときに困ります。
- 給湯器の操作ができない。水抜き・再開に電源が必要な機種があります。
- 冷蔵庫の中身。止める前に必ず空にしてください。止めたまま食品が残っていると、数週間で取り返しのつかない状態になります。
一方で、止めるメリットもあります。基本料金がかからないこと、古い配線からの漏電や火災のリスクが下がることです。ブレーカーを落としておけば、契約を残したまま電気を使わない状態にもできます。
当社がおすすめしている分け方
| 状況 | 電気の扱い |
|---|---|
| 半年以内に売る・貸す予定で、内覧がある | 残す。内覧で照明がつかない家は売れにくい |
| 室内プランで毎月換気・通水をする | 残す。換気扇と給湯器の操作に使う |
| 外まわりプランだけで、室内に入らない | 止めてもよい。冷蔵庫を空にし、ブレーカーを落とす |
| 防犯が心配な地域・密集地 | 残して、タイマー照明かセンサーライトを付ける |
当社の場合
電気を残すかどうかは、現地確認のときに「この家に何が付いているか」を見てから決めています。電動シャッターの有無、給湯器の種類、防犯の必要性で答えが変わるからです。止める場合は、冷蔵庫・給湯器・ブレーカーの手順をその場でお伝えし、必要なら巡回のときに当社で行います。
光熱費を止める前に、一度現地を見せてください
家に付いている設備(給湯器・シャッター・防犯機器)を見て、残すもの・止めるものを一緒に決めます。現地確認は無料です。
契約者が亡くなっている場合
電気・水道・ガスの契約が亡くなった親の名義のままになっていることがよくあります。この場合、解約するにも残すにも、契約者の変更(相続人への名義変更)が必要です。各社とも電話や窓口で手続きでき、戸籍などの書類を求められることは通常ありません。口座振替の口座が凍結されていると引き落とせなくなり、未払いで止められることがあるので、口座の確認を先にしてください。
止める・残すの手続き
- 電気:契約している電力会社に電話かウェブで。中部電力エリアでは検針票や請求書にお客様番号があります。
- 水道:名古屋市上下水道局へ。使用を続ける場合は手続き不要ですが、名義変更は必要です。
- ガス:東邦ガスなど契約先へ。閉栓の立ち会いが必要な場合があります。
いずれも「空き家だから」という理由で特別な扱いはありません。ただし、長期間使用量がゼロだと、水道局から確認の連絡が来ることがあります。
まとめ:相談すると何が分かるか
ガスは止める、水道は残す、電気は管理の仕方で決める。これが基本です。「全部止めて基本料金をゼロにする」は、臭い・虫・配管・防犯の面で家の価値を下げ、売るときや貸すときに跳ね返ってきます。
名古屋空き家相談室にご相談いただくと、次のことが分かります。
- その家の設備を見て、電気を残すべきか止めてよいか
- 止める場合の正しい手順(冷蔵庫・給湯器の水抜き・ブレーカー)
- 名義変更と口座の確認で、先にやること
- 月1回の通水・換気を当社に任せる場合の費用(空き家管理の内容と料金)
初回の現地確認と相談は無料です。解約の手続きをする前に、一度ご連絡ください。