「実家の今後が気になるが、親に『この家どうするの』とは聞きにくい」「帰省のたびに話そうと思うのに、結局言い出せずに帰ってきてしまう」。親が元気なうちに実家のことを話しておくべきだとわかっていても、切り出し方に迷う方は少なくありません。
この記事では、親が元気なうちに実家の話をしておく理由、話を切り出すきっかけと伝え方、聞いておきたいこと、親が話したがらないときの進め方を解説します。
この記事の結論
親が元気なうちに実家の話をしておくと、親の希望に沿った形で実家の行き先を決められ、認知症などで実家を動かせなくなる心配も減らせます。話は「売る」からではなく、「この家をこれからどうしたいか」と親の希望を聞くところから始めます。帰省や法事、相続登記の義務化のニュースなどをきっかけにすると切り出しやすくなります。名義、権利証や買ったときの契約書のありか、修理の記録、親の希望は、親にしかわからないことが多いため、早めに聞いて書き留めておきます。
なぜ、元気なうちに話しておく?
最初に、親が元気なうちに実家の話をしておく理由を確認していきます。
親の希望を、確かめられる?
実家をどうしたいかは、親にしか決められないことです。住み続けたいのか、いずれ施設に入るつもりなのか、誰に残したいのか、売ってもかまわないのかを聞いておくと、家族はその希望に沿って動けます。
親の希望がわからないまま相続を迎えると、兄弟それぞれが「親はこう思っていたはず」と考え、意見が分かれる原因になります。
判断が難しくなると、どうなる?
親が認知症などで判断が難しくなると、親名義の実家は、本人も、代わりに家族も売れなくなります。成年後見人を選んで家庭裁判所の許可を得れば売れますが、時間も手間もかかります。
元気なうちなら、親が自分で売る、家族信託で子に任せる、遺言を書くといった準備ができます。詳しくは親が認知症で実家を売れない?で解説しています。
親にしか、わからないことがある?
実家の権利証のありか、いつ、いくらで買ったか、どこを修理したか、隣の家との境界の取り決めなどは、親にしかわからないことが多くあります。こうした情報は、売るときの税金や、買主への説明に関わります。
親が亡くなったあとで探そうとしても見つからず、手続きが長引くことがあります。売るときの税金と取得費の関係は名古屋の空き家を売ると税金はいくら?で解説しています。
どう切り出す?
実家の話を切り出すきっかけと、伝え方を確認していきます。
どんなきっかけがある?
帰省やお盆、法事で家族が集まったときは、自然に家のことを話しやすい場面です。親の友人や親戚の相続の話、相続登記の義務化などのニュース、春に届く固定資産税の納税通知書、家の修理の相談なども、話を始めるきっかけになります。
自分自身の終活や、自分の家の相続を考え始めたことを話題にして、「うちの実家はどうしようか」とつなげる方法もあります。
どう伝えれば、受け止めてもらいやすい?
いきなり「売ろう」と切り出すと、親は家を取り上げられるように感じることがあります。「この家、これからどうしたいと思っている?」と、親の希望を聞く形で始めます。「元気なうちに聞いておきたい」「困らないように準備したい」と、話したい理由も伝えます。
一度で全部を決めようとせず、今日は希望だけ、次は書類のありか、というように少しずつ聞いていきます。
兄弟とは、どう分担する?
兄弟がいる場合は、親と話す前に、兄弟の間で話の進め方を相談しておきます。一人だけが親と話を進めると、ほかの兄弟から「勝手に決めた」と思われることがあります。聞いた内容は、兄弟全員で共有します。
離れて住む兄弟との話し合いの進め方は兄弟が遠方に分かれて住む実家の話し合いの進め方で解説しています。
当社の場合
親御さんを交えたご家族そろってのご相談もお受けしています。実家がいくらで売れそうか、持ち続けると年間いくらかかるかを査定と書面でお示しするため、ご家族で話し合うときの材料にお使いいただけます。売ることを前提にせず、住み続ける場合の管理のことからお話しします。
親と実家の話を始めたい方へ
実家の価格と維持費をまとめた資料を、ご家族の話し合いの材料としてお渡しします。親御さんを交えたご相談もお受けします。相談は無料です。
何を聞いておく?
親が元気なうちに聞いて、書き留めておきたいことを確認していきます。
家の書類と記録は?
実家について、次のようなことを聞いておきます。
| 聞いておくこと | 関わる場面 |
|---|---|
| 土地と建物の名義、権利証のありか | 相続登記、売却 |
| いつ、いくらで買ったか、そのときの契約書 | 売るときの税金の取得費 |
| 増築や修理、雨漏りやシロアリの記録 | 買主への説明 |
| 隣との境界の取り決め、境界の目印 | 測量、売却 |
| 住宅ローンが残っているか、抵当権の抹消 | 売却 |
| 火災保険や固定資産税の書類のありか | 管理、相続 |
聞いた内容は、ノートやエンディングノートに書いておき、家族がわかる場所に保管します。書類を実際に見せてもらえれば、写真に撮っておくと安心です。
親の希望は?
住み続けたいか、介護が必要になったらどうしたいか、施設に入ったあとの家をどうしてほしいか、誰に残したいか、売ってもかまわないかを聞きます。仏壇やお墓、大切にしている物をどうしてほしいかも、あわせて聞いておきます。
施設に入ったあとの実家の扱いは親が施設に入った。実家を「売る・貸す・置いておく」どれが正解かで解説しています。
形にしておけることは?
親の希望がはっきりしたら、遺言を書いてもらう、家族信託で子に管理と売却を任せる、将来に備えて任意後見の契約を結ぶといった方法で、形にしておけます。親が元気なうちに実家を売る選択もあります。
それぞれの考え方は親が元気なうちに実家を売るには?と遺言で実家を受け継いだらで解説しています。
親が話したがらないときは?
親が実家の話を嫌がるときの進め方を確認していきます。
無理に進めない方がいい?
住み慣れた家には思い出が詰まっていて、手放す話をされること自体がつらい親もいます。嫌がるときは、その場で押し切らず、時間をおいて別のきっかけで話します。「売るかどうか」ではなく、「困らないように書類のありかだけ教えてほしい」と、負担の少ない話から始めるのも一つの方法です。
第三者に入ってもらうのは?
家族だけだと感情的になりやすい場合は、第三者に入ってもらう方法もあります。名古屋市では、高齢者の暮らしや介護の相談を、区ごとのいきいき支援センターで受け付けています。実家の価格や売り方は、不動産会社の話を親と一緒に聞くと、客観的に考えやすくなります。
一人暮らしの親の見守りについては名古屋で一人暮らしの親の家を遠方から見守るには?で解説しています。
当社の場合
親御さんが売ることに迷っている場合も、無理に売却をすすめることはしません。住み続ける場合の修理や管理、施設に入った場合の選択肢を並べてお伝えし、親御さんとご家族が納得して決められるようにお手伝いします。遠方にお住まいのご家族にも、電話と郵送で同じ内容をお伝えします。
親が実家の話をしたがらずお困りの方へ
売ることを前提にせず、住み続ける場合も含めた選択肢を、親御さんとご家族にお伝えします。遠方の方も電話で進められます。相談は無料です。
親と実家の話をするときのよくある質問
何歳くらいから、話しておくべきですか?
決まった年齢はありませんが、親が70代になったころや、病気や入院をきっかけに話し始める家族が多くあります。判断がしっかりしているうちに話しておくことが、何より役に立ちます。
親が「全部お前たちに任せる」と言います。
任せてもらえる場合でも、書類のありかや、残してほしい物、仏壇やお墓のことは聞いておきます。売ってよいかどうかも、はっきり言葉にしてもらっておくと、兄弟の間で迷いません。
親と兄弟で意見が違います。
実家が親の名義なら、最終的に決めるのは親です。兄弟の意見は伝えつつ、親の希望を優先します。親が亡くなったあとの分け方で揉めないよう、親に遺言を書いてもらう方法もあります。
実家の価格を、先に知っておいた方がいいですか?
価格がわかると、売る、貸す、持ち続けるの比べ方が具体的になります。自分で調べる方法は実家の土地の価格を自分で調べる方法で解説しています。
話したことは、どう残せばいいですか?
聞いた日付と内容をノートに書き、兄弟にも同じ内容を送っておきます。親の希望を正式な形で残すなら、公正証書遺言などを使います。
親との実家の話は、親の希望を聞くことから始めよう
親が元気なうちに実家の話をしておくと、親の希望に沿って実家の行き先を決められ、判断が難しくなってからの手続きの心配も減ります。帰省や法事、ニュースをきっかけに、「この家をどうしたいか」と親の希望を聞くところから始め、名義や書類、修理の記録を少しずつ聞いて書き留めてください。
名古屋の実家のことでご家族の話し合いにお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。