「植田の坂の上にある実家が、親の入院で空き家になった」「野並の実家を相続したが、浸水のことを聞かれたらどう答えればいいのか」。名古屋市天白区は、北と南に丘陵地が広がり、真ん中を天白川が流れる区です。坂の上と川沿いの低地とで、実家を売るときに確かめることが変わります。
この記事では、天白区の空き家と地価の今の状況、天白区の実家を売る前に確かめておきたいこと、売り方の考え方と、手続きの窓口を解説します。
この記事の結論
天白区の空き家率は11.9%で、名古屋市全体の13.2%より低く、地価も上がる傾向が続いています。天白区は土砂災害警戒区域が市内で最も多く、丘陵地の実家では区域に入っていないかと擁壁の状態を、天白川や植田川沿いの低地の実家では浸水の想定を確かめます。地下鉄鶴舞線や桜通線の駅に近い実家は、通勤や通学に便利な住まいを探す家族が買主になりやすい地域です。固定資産税の相談先は金山市税事務所です。
天白区の空き家と地価は、いまどうなっている?
最初に、天白区の空き家の数と地価の動き、地域の特徴を確認していきます。
天白区の空き家は、どれくらいある?
2023年の住宅・土地統計調査では、天白区の空き家は10,790戸、空き家率は11.9%でした。名古屋市全体の13.2%より低く、16区の中では低い方から5番目です。
天白区は1975年に昭和区から分かれてできた区で、その前後から丘陵地に住宅地が開かれてきました。その時期に家を建てた親の世代が高齢になり、空き家になる実家が出てきています。区ごとの比べ方は名古屋市の空き家率は13.2%で解説しています。
天白区の地価は、上がっている?
愛知県がまとめた2026年の地価公示では、名古屋市の住宅地は平均3.1%上がりました。国の地価公示をもとにした民間の集計では、天白区の住宅地の平均は1平方メートルあたり約20万円で、前年より約3%上がっています。
同じ区の中でも、地下鉄の駅に近い平地と、坂の多い丘陵地では価格が違います。実家の近くの価格は実家の土地の価格を自分で調べる方法で確かめられます。
天白区は、どんな地域に分かれる?
天白区は、区の真ん中を天白川が流れ、北部と南部が丘陵地になっている、起伏の大きい区です。天白川と植田川の沿いは、水がたまりやすい低地です。
地下鉄鶴舞線の塩釜口、植田、原、平針の駅と、桜通線の野並駅があり、名古屋の中心部へ出やすい地域です。名城大学などの大学のキャンパスもあり、学生向けの賃貸住宅も多く見られます。
天白区の実家を売る前に、確かめることは?
天白区ならではの、売る前に確かめておきたい点を確認していきます。
土砂災害警戒区域に入っていない?
名古屋市の資料では、天白区の土砂災害警戒区域は89か所(2022年2月時点)で、市内で最も多くなっています。丘陵地に点在しているため、坂の上や斜面の近くの実家は、区域に入っていないかを確かめます。
土砂災害警戒区域に入っているかどうかは、売るときの重要事項説明で買主に伝えられます。さらに危険の大きい特別警戒区域に入っている場合は、建て替えのときに建物の構造に制限がかかります。愛知県や名古屋市の地図で、区域を確かめておきます。
擁壁の状態は?
丘陵地の住宅地では、擁壁の上や下に建つ家が多く見られます。古い擁壁は、ひび割れやふくらみ、水抜きの穴のつまりがないかを見ておきます。擁壁を造り直す必要がある場合は、費用が大きくなり、買主が価格を考えるときに差し引かれます。
擁壁の状態は、売る前に写真で記録しておくと、買主への説明がしやすくなります。古い擁壁やブロック塀の責任については空き家のブロック塀や庭木が倒れたら誰の責任?で解説しています。
低地の浸水の想定は?
天白川や植田川沿いの低地では、大雨のときに雨水があふれる内水の浸水に気をつけます。2000年9月の東海豪雨では、雨水の排水が追いつかず、野並のあたりで大きな浸水被害が出ました。
川沿いの実家は、名古屋市の洪水や内水のハザードマップで浸水の想定を確かめます。売るときの重要事項説明では、ハザードマップ上の位置が買主に説明されます。過去に浸水したことがあるなら、その時期と、床上か床下かも整理しておきます。
当社の場合
当社は天白区に野並支店を置いており、天白区の実家のご相談では、土砂災害警戒区域や浸水の想定を名古屋市の資料で確かめ、擁壁や建物の状態を現地で見てからお伝えします。売るまでの間の管理も、外まわりの見回りを月4,000円、室内の確認を含めて月8,000円(税別)でお受けしています。
天白区の実家・空き家をどうするか迷っている方へ
野並支店から現地を見に伺い、土砂災害や浸水の想定、擁壁の状態も含めてお伝えします。現地確認は無料です。
天白区の実家は、どう売る?
天白区の実家を売るときの考え方を確認していきます。
どんな人が買主になる?
地下鉄の駅に近い実家は、名古屋の中心部へ通勤する家族や、子どもの通学を考える家族が買主の候補になります。古い家を壊して新しい家を建てる建築会社が、土地として買うこともあります。
坂の上の実家は、眺めや日当たりのよさがある一方、駐車のしやすさや、歩いて駅まで行けるかを買主に見られます。こうした点を整理して伝えられるようにしておきます。査定の見方は名古屋の空き家の査定はどう決まる?で解説しています。
貸すという選択は?
大学の近くや駅に近い実家は、貸して家賃を得る選択肢もあります。ただし、古い家を貸すには、雨漏りや水回りの修理、設備の入れ替えが必要になることが多く、貸したあとは自由に売れなくなる場合もあります。
直して貸すか売るかの比べ方は空き家を直して貸すか、そのまま売るか?で解説しています。
古家付きか、解体か?
建物が古い場合は、古家付き土地として売るか、解体して更地で売るかを比べます。丘陵地の実家は、重機が入りにくい、擁壁の工事が必要になるなどで、解体の費用が高くなることがあります。
比べ方は空き家は解体してから売る?そのまま売る?で、解体の費用は名古屋で空き家の解体費用はどう決まる?で解説しています。
建物の古さと、売る時期は?
1970年代から80年代の初めに建てられた実家は、1981年5月31日以前に着工した旧耐震の建物であることがあります。旧耐震の家は、買主が住宅ローン控除を使いにくいなどの理由で、建物の価値が低く見られやすくなります。名古屋市には、旧耐震の木造住宅の解体に使える除却助成もあります。
相続した空き家の3,000万円控除には、相続から3年を経過する年の12月31日までに売るという期限があります。建物の古さと税金の期限をあわせて、売る時期を決めます。考え方は旧耐震の空き家は売れる?と空き家を売るタイミングはいつ?で解説しています。
当社の場合
天白区の実家の査定では、近くで実際に売れた価格と、土砂災害や浸水の想定、擁壁の状態を並べ、古家付きで売る場合と解体して売る場合の手取りをお伝えします。遠方にお住まいの方も、電話と郵送で売却を進められます。買取のご相談もお受けしています。
天白区の実家がいくらで売れるか知りたい方へ
近くの成約価格と土地の条件をもとに、古家付きと解体した場合の手取りを比べてお伝えします。相談は無料です。
天白区の実家・空き家についてよくある質問
天白区の実家の固定資産税は、どこに相談しますか?
名古屋市の市税事務所のうち、天白区は金山市税事務所が担当しています。昭和区、瑞穂区、熱田区、南区、緑区も同じ事務所です。相続登記をしていない間の固定資産現所有者申告も、市税事務所に出します。
土砂災害警戒区域の家は、売れますか?
売れます。警戒区域に入っていることは買主に伝えられますが、それだけで売れなくなるわけではありません。特別警戒区域かどうか、擁壁の状態、建て替えの条件によって価格が変わるため、査定で見込みを確かめてください。
過去に浸水したことがある家は、伝える必要がありますか?
過去に浸水したことを知っている場合は、売るときに買主に伝えます。伝えずに売ると、あとで責任を問われることがあります。伝え方と責任の考え方は古い空き家を売ったあとで不具合が見つかったら?で解説しています。
相続の手続きは、何から始めますか?
親名義の実家は、相続登記をしてから売ります。2024年4月から相続登記は義務になり、相続を知った日から3年以内の申請が必要です。手続きの流れは相続した空き家の名義変更はいつまで?で解説しています。
遠方に住んでいても、天白区の実家を売れますか?
はい、売れます。鍵を預けて内覧や現地の確認を任せ、契約の書類は郵送でやり取りできます。手順は名古屋に一度も行かずに実家の空き家を売るには?で解説しています。
天白区の実家・空き家は、坂の上か川沿いかで確かめることを分けることから始めよう
天白区の空き家率は11.9%で、地価も上がる傾向です。土砂災害警戒区域が市内で最も多いため、丘陵地の実家では区域と擁壁を、天白川や植田川沿いの実家では浸水の想定を確かめます。そのうえで、地下鉄沿線の便利さを生かして、古家付きで売るか解体して売るかを手取りで比べて決めてください。
名古屋市天白区の実家や空き家でお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。