「名古屋の実家を売りたいけれど、仕事があって何度も帰れない」「売るとなると、契約や決済のたびに名古屋まで行かなければならないのでは」と悩む方は少なくありません。実は、空き家の売却は、鍵の受け渡しと書類のやりとりを工夫すれば、名古屋に一度も行かずに最後まで進められます。
この記事では、遠方に住んだまま名古屋の空き家を売る手順と、現地に行けない分を誰が担うのか、そろえておく書類と集め方、遠方から売るときに気をつけることを解説します。
この記事の結論
名古屋の空き家は、一度も現地に行かずに売れます。鍵を郵送で不動産会社に預ければ、査定、見学の案内、片付けの立ち会いは会社が代わりに行い、媒介契約と売買契約は郵送か電子契約で結べます。決済も、事前に司法書士が本人と売る意思を確かめておけば、立ち会わずに売却代金を口座で受け取れます。遠方から売るときに大切なのは、現地の様子を写真と報告で受け取れる会社を選び、価格や条件の判断を任せきりにしないことです。
名古屋に行かずに、空き家は本当に売れる?
最初に、遠方から売るときの全体像を確認していきましょう。
売るまでに、名古屋へ何回行く必要がある?
必ず行かなければならない回数は、0回です。売却の手続きのうち、現地でしかできないことは、家の中を見る、見学を案内する、片付けに立ち会う、鍵を渡すといった作業で、どれも不動産会社などに任せられます。
ただし、売ると決める前に一度は家の状態を自分の目で見ておきたい、残したい物を自分で選びたいという方も多くいます。行くかどうかは、気持ちの整理と手間を比べて決めて構いません。
現地に行けないと、何に困る?
現地に行けないときに困るのは、家の今の状態がわからないこと、鍵を渡せないこと、家財の扱いを決められないこと、本人確認の手続きです。この4つを誰がどう担うかを決めておけば、遠方からでも売却は止まりません。
家の状態は写真と動画で、鍵は郵送で、家財は片付け業者と立ち会いの代行で、本人確認は郵送の書類と司法書士の確認で対応するのが一般的です。
遠方から名古屋の空き家を売る手順
ここからは、実際の流れを順番に確認していきましょう。
STEP1|電話で相談し、手元の書類を送る
まず、不動産会社に電話やメールで相談し、家の場所と、売りたい理由、相続の状況を伝えます。そのうえで、固定資産税の納税通知書や登記簿、権利証など手元にある書類の写しを送ります。
書類がそろっていなくても、家の住所がわかれば、不動産会社が登記簿や地図を取り寄せて調べられます。書類の探し方は実家の片付けで必ず取り出す物リストにまとめています。
STEP2|鍵を郵送し、現地を見てもらう
次に、鍵を書留などの記録が残る方法で不動産会社に送り、家の中と外を見てもらいます。建物の傷み、雨漏りの跡、家財の量、前の道路や隣との境界を確認し、写真と一緒に報告してもらいます。
鍵を送る前に、預かり証を出してもらえるか、鍵をどこで保管するかを確認しておくと安心です。鍵を預けるときの注意点は空き家の鍵を業者に預けて大丈夫?で解説しています。
STEP3|査定の結果を聞き、売り方を決める
現地の確認をもとに、売れる見込みの価格と、その根拠を説明してもらいます。遠方に住んでいると相場の感覚がつかみにくいため、近くで売れた家の事例や、売りに出ている家の価格と一緒に聞くと判断しやすくなります。
あわせて、中古住宅として売るか、古家付きの土地として売るか、解体するか、家財を残したまま売るかを決めます。売り方によって、このあとに必要な作業が変わります。
STEP4|媒介契約を郵送か電子契約で結ぶ
売り方が決まったら、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約書は郵送でやりとりできるほか、2022年5月からは、依頼者が承諾すれば電子契約でも結べるようになりました。
電子契約なら、スマートフォンやパソコンで内容を確認して署名でき、書類を送り返す手間がかかりません。郵送の場合も、署名と押印をして返送するだけで、名古屋に行く必要はありません。
STEP5|片付けと見学の案内を任せる
売りに出したあとの見学は、不動産会社が鍵を使って案内します。見学の件数や、見学した人の反応を定期的に報告してもらうと、遠方からでも売れ行きがわかります。
片付けが必要な場合は、片付け業者の作業に不動産会社などが立ち会い、作業前後の写真を送ってもらいます。片付けの費用を売却代金から払う方法は実家の片付け費用は売却代金から払える?で解説しています。
STEP6|売買契約を持ち回りか電子契約で結ぶ
買主が決まったら、売買契約を結びます。買主と同じ場所に集まらなくても、契約書を郵送で順番に回して署名する持ち回り契約や、電子契約で結べます。
電子契約の場合は、紙の契約書に貼る収入印紙が不要になります。持ち回り契約の場合は、手付金を口座への振り込みで受け取る形にしておくと、現地に行かずに済みます。
STEP7|決済に立ち会わず、売却代金を口座で受け取る
最後の決済では、買主から売却代金を受け取り、名義を買主に移す登記を申請します。売主が立ち会わない場合は、事前に司法書士が売主の本人確認と売る意思の確認をしておき、決済の日は司法書士と不動産会社が手続きを進めます。
売却代金は、決済の日に売主の口座へ振り込まれます。鍵は買主に渡されるため、売主がすることは、振り込まれた金額を確認するだけです。
当社の場合
遠方にお住まいの方の売却では、鍵を郵送でお預かりして預かり証をお送りし、家の状態を写真付きでご報告するところから始めます。査定の結果は、近くの売却事例と一緒に電話でご説明し、売り方を決めるまで何度でもご相談いただけます。媒介契約と売買契約も、名古屋に来られなくても進められる方法をご案内します。
遠方から名古屋の実家を売りたい方へ
鍵を郵送でお預かりし、家の状態を写真付きでご報告します。一度も名古屋に来ずに売却まで進められます。現地確認は無料です。
遠方から売るとき、書類はどう集める?
売却に必要な書類も、名古屋に行かずに集められます。
売るときに必要な書類は?
売るときに主に必要なのは、本人確認書類、実印と印鑑証明書、権利証または登記識別情報、固定資産税の納税通知書、住民票です。相続した家なら、相続登記を先に済ませておく必要があります。
印鑑証明書と住民票は、今住んでいる市区町村で取れます。マイナンバーカードがあれば、コンビニで取れる市区町村もあります。
相続登記に使う親の戸籍は、どこで取る?
親の戸籍は、2024年3月1日から、本籍地でなくても、最寄りの市区町村の窓口でまとめて請求できるようになりました。名古屋に本籍があっても、今住んでいる市区町村の窓口で取れます。
ただし、この方法は本人か、配偶者、父母や子など直系の家族が窓口で請求する必要があり、郵送や代理人による請求はできません。相続登記は司法書士に頼めば、戸籍の収集も含めて任せられます。相続登記の期限は相続した空き家の名義変更はいつまで?で解説しています。
不動産会社の本人確認は、どう行う?
不動産会社は、法律にもとづいて、売買の契約の前に売主の本人確認を行います。遠方の場合は、本人確認書類の写しを送り、その住所あてに不動産会社から書類を書留などで送って受け取ってもらう方法がとられます。
マイナンバーカードを使ったオンラインの本人確認に対応している会社もあります。どの方法になるかは、相談の段階で確認しておくと準備がしやすくなります。
決済に立ち会わないとき、司法書士の確認はどうなる?
遠方から売るときに一番気になるのが、決済の日の手続きです。
司法書士は、何を確認する?
司法書士は、名義を移す登記を申請する前に、売主が本人であること、本当に家を売る意思があることを確認します。登記は名義を移す大切な手続きのため、この確認は省けません。
確認の方法は、原則として司法書士が売主に会って行います。遠方の場合は、司法書士が売主の住まいの近くまで出向く、売主の近くの司法書士に確認を頼む、オンラインで面談するといった方法がとられます。どの方法が使えるかは司法書士によって違います。
権利証がなくても、立ち会わずに売れる?
権利証や登記識別情報が見つからない場合でも、売ることはできます。司法書士が本人確認情報という書類を作って登記を申請する方法があり、この場合は司法書士が売主と面談して本人であることを確かめます。
権利証がない場合は、司法書士の費用が増えることがあるため、早めに不動産会社に伝えておくと、面談の段取りを含めて準備できます。
兄弟で共有している家は、全員が手続きする?
はい、兄弟で共有している家を売る場合は、共有者全員が売主になり、それぞれ本人確認と署名が必要です。兄弟が別々の地域に住んでいても、郵送や電子契約、司法書士の確認をそれぞれの住まいで行えば、全員が名古屋に集まる必要はありません。
手続きの窓口を一人にまとめたい場合は、ほかの兄弟から委任状をもらい、代理人として進める方法もあります。共有のまま売るときの考え方は相続した空き家を兄弟で揉めずに決める方法で解説しています。
当社の場合
決済に立ち会わずに売却される方には、司法書士と日程を調整し、売主の方の本人確認と意思確認を事前に済ませるよう段取りを組みます。兄弟で共有している家の場合も、皆さまのお住まいに合わせて、書類のやりとりと確認の方法を一人ずつご案内します。決済が終わったら、振り込みの確認と、鍵を買主に渡したことをご報告します。
遠方から売るときに、気をつけることは?
最後に、遠方から売るときに起きやすい失敗を確認していきます。
任せきりにすると、何が起きる?
任せきりにすると、売れ行きがわからないまま時間がたつ、相場より安い価格で決まってしまう、家の傷みに気づかないといったことが起きやすくなります。遠方の売主は、現地を見て判断できないため、報告の内容がすべての判断材料になります。
売りに出したあとは、見学の件数と反応、問い合わせの数、価格を見直すかどうかを、月に一度など決まった間隔で報告してもらうよう、最初に約束しておきます。
売れるまでの間の管理は、どうする?
売れるまでの間も、空き家の管理は売主の責任です。換気をしない、草が伸びたままといった状態が続くと、見学に来た人の印象が悪くなり、建物も傷みます。
売却を頼む不動産会社に、売れるまでの管理も一緒に頼めるかを確認しておくと、窓口が一つで済みます。管理の内容と料金は空き家管理のページで確認できます。
売ったあとの確定申告は、名古屋でする?
いいえ、確定申告は今住んでいる地域を受け持つ税務署で行います。名古屋の家を売った場合でも、名古屋の税務署に行く必要はなく、電子申告も使えます。
相続した空き家で3,000万円控除を使う場合は、家のある市区町村から確認書を受け取る必要があります。名古屋市への申請の方法は、売却の前に確認しておきます。控除の条件は相続した空き家の3,000万円特別控除で解説しています。
遠方から空き家を売ることについてよくある質問
一度も家を見ずに売ると決めても、問題ありませんか?
問題ありません。不動産会社が現地を確認し、写真や動画で家の状態を報告すれば、それをもとに判断できます。ただし、残したい物が家に残っている可能性がある場合は、片付けの前に取り出す物を決めておく必要があります。立ち会いの代行を頼めば、作業の様子を写真で確かめられます。
遠方から売ると、価格が安くなりませんか?
必ずしも安くなるわけではありません。売れる価格は家と土地の条件と需要で決まり、売主がどこに住んでいるかは関係しません。ただし、早く手放したいからと価格の判断を急ぐと、安く決まることがあります。査定の根拠を聞き、納得してから売り出し価格を決めてください。
媒介契約は、名古屋の会社と結んだほうがいいですか?
現地の確認や見学の案内、片付けの立ち会いを頼むなら、家の近くに拠点がある会社のほうが動きやすくなります。名古屋空き家相談室は、名古屋市西区庄内通の本店と、守山、野並の支店から名古屋市内の空き家を見ています。遠方の方とのやりとりは、電話、メール、郵送で行っています。
売却代金は、いつ受け取れますか?
決済の日に、買主から売主の口座へ振り込まれます。手付金を受け取っている場合は、残りの代金が決済の日に振り込まれます。仲介手数料や片付けの費用を代金から払う場合は、その分を差し引いた額を受け取る形にすることもできます。
海外に住んでいても、名古屋の空き家を売れますか?
はい、売ることはできます。ただし、海外に住んでいる場合は、印鑑証明書の代わりに現地の日本大使館や領事館で取るサイン証明が必要になるなど、書類の準備に時間がかかります。税金の扱いも国内に住んでいる場合と違うことがあるため、早めにご相談ください。司法書士や税理士は当社からご紹介できます。
名古屋の空き家を遠方から売るなら、鍵を預けることから始めよう
名古屋の空き家は、鍵を郵送で預け、契約を郵送か電子契約で結び、決済の前に司法書士の確認を済ませれば、一度も現地に行かずに売れます。遠方から売るときは、写真付きの報告と決まった間隔の連絡を約束してくれる会社を選び、価格と条件の判断は自分で行うことが大切です。
遠方にお住まいで名古屋の実家を売りたい方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。