「熱田神宮の近くの実家に父が一人で住んでいたが、亡くなって空き家になった」「日比野のあたりの親の家を相続したが、水害が心配で売れるのか不安」。名古屋市熱田区は、区の真ん中を流れる堀川を境に、東の高い台地と西の低い土地とで、土地の事情が大きく違う区です。
この記事では、熱田区の空き家と地価の今の状況、熱田区の実家を売る前に確かめておきたいこと、売り方の考え方と、手続きの窓口を解説します。
この記事の結論
熱田区の空き家率は10.7%で、名古屋市16区の中で3番目に低く、住宅地の地価は市の平均の約2倍のペースで上がっています。堀川の東の熱田台地は地盤が固く水害の心配が比較的小さい一方、西側は江戸時代まで海だった地域を含み、津波、液状化、洪水、高潮の心配が大きいとされています。西側の一部は臨海部防災区域建築条例の区域に入り、建て替えるときは1階の床の高さなどに決まりがあります。実家が堀川のどちら側かを確かめたうえで、古家付きか解体かを手取りで比べます。固定資産税の相談先は金山市税事務所です。
熱田区の空き家と地価は、いまどうなっている?
最初に、熱田区の空き家の数と地価の動き、地域の特徴を確認していきます。
熱田区の空き家は、どれくらいある?
2023年の住宅・土地統計調査では、熱田区の空き家は4,140戸、空き家率は10.7%でした。名古屋市全体の13.2%を下回り、16区の中では緑区、守山区に次いで3番目に低い水準です。
名古屋市の資料では、熱田区の人口のおよそ4人に1人が65歳以上とされています。親の世代が長く住んできた実家が、施設への入所や相続をきっかけに空き家になることもあります。区ごとの比べ方は名古屋市の空き家率は13.2%で解説しています。
熱田区の地価は、上がっている?
愛知県がまとめた2026年の地価公示では、名古屋市の住宅地は平均3.1%上がりました。国の地価公示をもとにした民間の集計では、熱田区の住宅地の平均は1平方メートルあたり約28万円で、前年より約6.3%上がり、市の平均の約2倍のペースです。
金山に近く、名鉄やJR、地下鉄の駅がそろう便利さから、住まいの需要が強まっています。実家の近くの価格は実家の土地の価格を自分で調べる方法で確かめられます。
熱田区は、どんな地域に分かれる?
名古屋市の資料では、熱田区は区の真ん中を流れる堀川を境に、東と西の2つの地域に分けられます。東側は熱田台地が広がり、標高が比較的高く地盤も固い地域です。西側は江戸時代まで海だった地域を含み、地盤が弱く、標高も低い地域です。
熱田神宮の周りには名鉄の神宮前駅、JRの熱田駅、地下鉄名城線の駅があり、西側にも地下鉄の日比野の駅があります。こうした交通の便利さは、熱田区の実家を売るときに買主へ伝えられる点です。
熱田区の実家を売る前に、確かめることは?
熱田区ならではの、売る前に確かめておきたい点を確認していきます。
堀川の東か西かで、何が違う?
名古屋市の資料では、東側の熱田台地は津波や洪水などの水害の心配が比較的小さいとされる一方、西側は津波、液状化、洪水、高潮の心配が大きいとされています。1959年の伊勢湾台風では、高潮などで、当時の区の人口の約8割にあたる64,173人が被害を受けました。
2000年の東海豪雨などの集中豪雨でも、たびたび浸水の被害が出ています。実家の住所で、名古屋市の洪水、内水、高潮、津波のハザードマップを確かめておきます。扱いは浸水のおそれがある地域の実家を売るときで解説しています。
臨海部防災区域に入っていない?
伊勢湾台風の教訓から定められた名古屋市臨海部防災区域建築条例は、港区の全域と、熱田区、中川区、南区の一部が対象です。区域の中で住宅を建て替えるときは、1階の床の高さを一定以上にする、区域によっては2階建て以上にする、木造を建てられないといった決まりがあります。
実家が区域に入っていると、建て替えの費用が増えることがあり、買主が価格を考えるときに影響します。決まりの内容は名古屋市港区の実家・空き家を売るときに知っておきたいことで解説しています。
建物と前の道路は?
古くからの住宅地の実家は、1981年5月31日以前に着工した旧耐震の建物であることや、前の道路が狭いこともあります。建物の建てた時期は登記事項証明書で、道路の扱いは名古屋市の指定道路図で確かめます。
旧耐震の家の扱いは旧耐震の空き家は売れる?で、道路の確かめ方は再建築不可の空き家を売るには?で解説しています。
当社の場合
熱田区の実家のご相談では、ハザードマップや臨海部防災区域に入るかどうかを名古屋市の資料で確かめ、建物の状態や前の道路を現地で見てからお伝えします。売るまでの間の管理も、外まわりの見回りを月4,000円、室内の確認を含めて月8,000円(税別)でお受けしています。
熱田区の実家・空き家をどうするか迷っている方へ
堀川の東か西か、臨海部防災区域かどうかを確かめ、建て替えの条件も含めて売り方をお伝えします。現地確認は無料です。
熱田区の実家は、どう売る?
熱田区の実家を売るときの考え方を確認していきます。
どんな人が買主になる?
金山や名古屋駅、栄へ出やすい熱田区では、通勤に便利な住まいを探す家族が買主の候補になります。地価が上がっている今は、古い家を壊して新しい家や集合住宅を建てる建築会社や不動産会社が、土地として買うことも多くあります。
買主に合わせた売り方の違いは空き家は買取と仲介のどちらで売る?で解説しています。
古家付きか、解体か?
古家付き土地として売るか、解体して更地で売るかを、解体の費用と手取りで比べます。臨海部防災区域の中では、建て替えの決まりを嫌う買主もいるため、今の建物を使いたい人に古家付きで売る方が合う場合もあります。旧耐震の木造の家なら、名古屋市の除却助成が使える場合があります。
比べ方は空き家は解体してから売る?そのまま売る?で解説しています。
売る時期は、どう考える?
地価が大きく上がっているからといって、売るのを先延ばしにすると、建物の傷みや管理の費用、固定資産税がかさみます。相続した空き家の3,000万円控除には、相続から3年を経過する年の12月31日までという期限もあります。
地価の上昇で売ったときの利益が大きくなると、税金も増えるため、特例が使えるかを確かめておきます。考え方は空き家を売るタイミングはいつ?で解説しています。
当社の場合
熱田区の実家の査定では、近くで実際に売れた価格と、浸水の想定や建て替えの条件、建物の状態を並べ、古家付きで売る場合と解体して売る場合、建築会社などに買ってもらう場合の手取りをお伝えします。遠方の方も電話と郵送で進められ、買取のご相談もお受けしています。
熱田区の実家・空き家についてよくある質問
熱田区の実家の固定資産税は、どこに相談しますか?
名古屋市の市税事務所のうち、熱田区は金山市税事務所が担当しています。昭和区、瑞穂区、南区、緑区、天白区も同じ事務所です。相続登記をしていない間の固定資産現所有者申告も、市税事務所に出します。親の戸籍や住民票は、熱田区役所の窓口で取れます。
堀川の西側の家は、売りにくいですか?
浸水や液状化の想定があることは買主に伝わりますが、それだけで売れなくなるわけではありません。駅からの距離や土地の広さ、建物の状態も合わせて価格が決まります。想定の深さや過去の浸水の有無を確かめ、査定で見込みを聞いてください。査定の見方は名古屋の空き家の査定はどう決まる?で解説しています。
伊勢湾台風のときの被害も、伝える必要がありますか?
地域全体が被害を受けた過去の災害は、ハザードマップの説明とあわせて、地域の事情として伝わることが多くあります。一方、近年の大雨などで実家そのものが浸水したことを知っている場合は、個別に伝えます。
相続の手続きは、何から始めますか?
親名義の実家は、相続登記をしてから売ります。2024年4月から相続登記は義務になり、相続を知った日から3年以内の申請が必要です。手続きの流れは相続した空き家の名義変更はいつまで?で解説しています。
遠方に住んでいても、熱田区の実家を売れますか?
はい、売れます。鍵を預けて内覧や現地の確認を任せ、契約の書類は郵送でやり取りできます。手順は名古屋に一度も行かずに実家の空き家を売るには?で解説しています。
熱田区の実家・空き家は、堀川の東か西かを確かめることから始めよう
熱田区の空き家率は10.7%と低めで、住宅地の地価は市の平均の約2倍のペースで上がっています。堀川の東の熱田台地と西の低い土地とで浸水や液状化の想定が違い、西側の一部は臨海部防災区域の決まりがあります。実家の場所の想定と決まりを確かめたうえで、古家付きで売るか解体して売るかを手取りで比べて決めてください。
名古屋市熱田区の実家や空き家でお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。