「大須の近くにある古い実家が、母が施設に入ってから空いたままになっている」「栄に近い親のマンションを相続したが、住む予定はない」。名古屋市中区は、栄や名古屋城を抱える名古屋の都心で、マンションが立ち並ぶ一方、古くからの戸建てや商店も残る区です。
この記事では、中区の空き家と地価の今の状況、中区の実家を売る前に確かめておきたいこと、戸建てとマンションそれぞれの売り方と、手続きの窓口を解説します。
この記事の結論
中区の空き家率は17.6%で、名古屋市16区の中で最も高い水準ですが、都心の地価は高く、上がる傾向が続いています。中区の多くは地盤のよい熱田台地の上にありますが、南西の縁の低い土地は地盤が弱めです。都心の多くの地域は防火地域や準防火地域で、建て替えるときは燃えにくい構造にする決まりがあります。古い戸建ては土地としての価値で評価されやすく、マンションの実家は管理費などの負担と売る時期を比べて決めます。固定資産税の相談先は栄市税事務所です。
中区の空き家と地価は、いまどうなっている?
最初に、中区の空き家の数と地価の動き、地域の特徴を確認していきます。
中区の空き家は、どれくらいある?
2023年の住宅・土地統計調査では、中区の空き家は14,850戸、空き家率は17.6%でした。名古屋市全体の13.2%を大きく上回り、16区の中で最も高い水準です。
中区は住宅の多くがマンションや賃貸住宅で、賃貸の空き室も空き家の数に含まれていると考えられます。親が住んでいた戸建てやマンションの実家が空いたままになっている例も、その中に数えられています。区ごとの比べ方は名古屋市の空き家率は13.2%で解説しています。
中区の地価は、上がっている?
愛知県がまとめた2026年の地価公示では、名古屋市の住宅地は平均3.1%上がりました。国の地価公示をもとにした民間の集計では、中区の住宅地の平均は1平方メートルあたり100万円を超え、前年より約3.8%上がっています。中区は住宅地の地点が少なく都心に近い地点が中心のため、平均は高めに出ます。
同じ中区でも、栄に近い場所と南部の住宅地とでは価格が大きく違います。実家の近くの価格は実家の土地の価格を自分で調べる方法で確かめられます。
中区は、どんな地域に分かれる?
中区は、細長い半島のような形をした熱田台地の上にあり、名古屋城の城下町として碁盤の目のように区画された街が、今のまちづくりのもとになっています。栄や伏見、丸の内などの商業や業務の地域と、大須や上前津、東別院のあたりなど、古くからの住宅や商店が残る地域があります。
地下鉄の東山線、名城線、鶴舞線、桜通線が通り、どこからでも駅に出やすいことは、中区の実家を売るときに買主へ伝えられる点です。
中区の実家を売る前に、確かめることは?
中区ならではの、売る前に確かめておきたい点を確認していきます。
地盤と浸水の想定は?
名古屋市の資料では、熱田台地は地盤の条件がよい場所とされる一方、台地の南西の縁の崖の下には、江戸時代まで海が入り込んでいた低い土地が広がり、地盤が弱いところが多いとされています。実家が台地の上か、縁の下の低い土地かで、地震や浸水の想定が変わります。
名古屋市の洪水や内水、地震のハザードマップで、実家の住所の想定を確かめておきます。売るときの重要事項説明では、水害のハザードマップ上の位置が買主に説明されます。
防火地域や準防火地域では?
都心の中区では、多くの地域が防火地域や準防火地域に指定されています。こうした地域で建て替えるときは、建物の大きさに応じて、燃えにくい構造にする決まりがあり、木造の家よりも建築の費用がかかることがあります。
実家の土地の用途地域や、防火の指定は、名古屋市の都市計画の情報で確かめられます。買主は、どんな建物が建てられるかを考えて価格を決めるため、売る前に整理しておきます。
土地の広さと、前の道路は?
古くからの住宅地の戸建ては、土地が狭い、前の道路が狭い、隣と壁がつながっているといった条件のこともあります。狭い土地でも、都心に近ければ建築会社などが買主になることがありますが、建て替えの条件によって価格は変わります。
狭い土地の扱いは旗竿地や狭い土地の空き家は売れる?で、道路の確かめ方は再建築不可の空き家を売るには?で解説しています。
当社の場合
中区の実家のご相談では、用途地域や防火の指定、ハザードマップの想定を名古屋市の資料で確かめ、土地の広さや前の道路、建物の状態を現地で見てからお伝えします。売るまでの間の管理も、外まわりの見回りを月4,000円、室内の確認を含めて月8,000円(税別)でお受けしています。マンションの実家は、室内の確認を含むプランが基本です。
中区の実家・空き家をどうするか迷っている方へ
用途地域や防火の指定、土地の条件を確かめ、戸建てもマンションも売り方をお伝えします。現地確認は無料です。
中区の実家は、どう売る?
中区の実家を戸建てとマンションに分けて、売り方の考え方を確認していきます。
古い戸建ては、どう売る?
都心の中区では、古い戸建ても土地としての価値で評価されやすく、建築会社や不動産会社が、新しい家や集合住宅、店舗などを建てるために買うことがあります。古家付きで売るか、解体して更地で売るかを、解体の費用と手取りで比べます。
比べ方は空き家は解体してから売る?そのまま売る?と空き家は買取と仲介のどちらで売る?で解説しています。
マンションの実家は、どう売る?
マンションの実家は、空いたままでも管理費や修繕積立金がかかり続けます。都心のマンションは、住まいとして買いたい人のほか、貸して家賃を得たい人も買主の候補になります。築年数や管理の状態、修繕積立金の残高が、価格に影響します。
売るか貸すかの考え方はマンションが空き家になったら?で解説しています。
店舗付きの実家や、古いアパートは?
商店の多い中区では、1階が店で2階が住まいという実家や、親が持っていた古いアパートを相続することもあります。借り手や入居者がいるかどうかで、売り方が変わります。
考え方は店舗付き住宅・古いアパートを相続したらで解説しています。
当社の場合
中区の実家の査定では、近くで実際に売れた価格と、土地の条件や建物の状態を並べ、戸建てなら古家付きで売る場合と解体して売る場合、建築会社などに買ってもらう場合の手取りを、マンションなら売る場合と持ち続ける場合の費用をお伝えします。遠方の方も電話と郵送で進められ、買取のご相談もお受けしています。
中区の実家・空き家についてよくある質問
中区の実家の固定資産税は、どこに相談しますか?
名古屋市の市税事務所のうち、中区は栄市税事務所が担当しています。千種区、東区、北区、守山区、名東区も同じ事務所です。相続登記をしていない間の固定資産現所有者申告も、市税事務所に出します。親の戸籍や住民票は、中区役所の窓口で取れます。
マンションの実家にも、3,000万円控除は使えますか?
相続した空き家の3,000万円控除は、マンションなど区分所有の建物には使えません。売ったときの税金の計算は名古屋の空き家を売ると税金はいくら?で確かめてください。
地価が高いと、相続税がかかりますか?
都心の中区では土地の評価が高くなりやすく、相続税の基礎控除を超えることがあります。小規模宅地等の特例が使えるかで、税額が大きく変わります。考え方は実家に相続税はかかる?で解説しています。
隣と壁がつながった古い家も、売れますか?
売れます。ただし、解体や建て替えには隣の持ち主との話し合いが必要になるため、価格は低めになりやすくなります。隣の持ち主にまとめて買ってもらえないか打診する方法もあります。
遠方に住んでいても、中区の実家を売れますか?
はい、売れます。鍵を預けて内覧や現地の確認を任せ、契約の書類は郵送でやり取りできます。手順は名古屋に一度も行かずに実家の空き家を売るには?で解説しています。
中区の実家・空き家は、土地の条件と建物の種類を確かめることから始めよう
中区の空き家率は17.6%と市内で最も高いものの、都心の地価は上がる傾向が続いています。台地の上か低い土地か、防火地域や準防火地域か、土地の広さや前の道路を確かめます。そのうえで、戸建てなら古家付きか解体か、マンションなら売るか持ち続けるかを、手取りで比べて決めてください。
名古屋市中区の実家や空き家でお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。