「久しぶりに実家に帰ったら、天井裏で何かが走り回る音がする」「押し入れにふんが落ちていて、天井にシミが広がっている」。人が住んでいない空き家は、ネズミやハクビシンなどの動物にとって、静かで雨風をしのげるすみかになりやすい場所です。
この記事では、空き家に動物が住みついたときの見分け方、ネズミとハクビシンなどで違う対処のしかた、名古屋市の捕獲の手続き、住みつかせないための管理、売るときの注意点を解説します。
この記事の結論
空き家に住みつく動物は、ネズミと、ハクビシンやアライグマなどの野生動物で、対処のしかたが違います。ネズミは市販の薬剤や業者で駆除できますが、ハクビシンやアライグマは法律で守られた鳥獣のため、勝手に捕まえられません。名古屋市では、市長の捕獲許可を受けて自分で捕まえるか、有料で業者に頼みます。どちらの場合も、追い出したあとに侵入口をふさぎ、ふんや尿の掃除と消毒をしないと、再び住みつきます。売るときは、被害があったことを買主に伝えます。
空き家に動物が住みつくと、何が起きる?
最初に、空き家で起きやすい被害と、住みついているかの見分け方を確認していきます。
なぜ、空き家は狙われやすい?
人が住んでいない家は、物音や人の気配がなく、動物が安心して巣を作れます。屋根や床下の小さなすき間、換気口の破れ、閉め忘れた戸袋などから入り込み、天井裏や床下にすみつきます。
仏壇のお供え物や台所の食品、庭の柿などの果物が残っていると、えさを求めて寄ってきます。片付けが進んでいない空き家ほど、住みつかれやすくなります。
どんな被害が出る?
天井裏にふんや尿がたまると、天井板にシミが広がり、悪臭がして、板が腐って抜けることもあります。ふんや死がいには、ダニやノミがわき、病原体を持っていることもあります。
ネズミは電気の配線をかじることがあり、通電したままの空き家では火事の原因になるおそれがあります。断熱材を巣の材料にして、ぼろぼろにすることもあります。
住みついているかは、どう見分ける?
次のような跡があれば、動物が住みついている可能性があります。
- 天井裏や床下からの物音、天井や壁のシミ、獣のにおい
- 押し入れや天井裏、庭の決まった場所にたまったふん
- 柱や配線のかじり跡、壁や戸袋の黒い汚れ、屋根や換気口の破れ
ネズミのふんは米粒ほどの大きさで散らばり、ハクビシンやアライグマのふんは大きく、同じ場所にためるのが特徴です。どの動物かで対処が変わるため、ふんや足跡を写真に撮っておくと相談のときに役立ちます。
ネズミとハクビシンで、対処は違う?
動物の種類ごとの対処と、名古屋市の手続きを確認していきます。
ネズミの場合は?
家に住みつくクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミは、市販の殺そ剤や捕獲用品を使って、自分で駆除できます。名古屋市は駆除そのものは行っていませんが、区の保健センターで駆除の方法を相談できます。
自分で対処できない場合や、遠方で通えない場合は、駆除業者に頼みます。ネズミは数センチのすき間でも通り抜けるため、駆除とあわせて侵入口をふさがないと、また入ってきます。
ハクビシンやアライグマの場合は?
ハクビシンやアライグマ、タヌキなどの野生動物は、鳥獣保護管理法で守られていて、許可なく捕まえたり傷つけたりできません。まずは忌避剤や光、音などで追い出し、侵入口をふさぐ方法を考えます。
追い出しで対処できない場合、名古屋市では、市長の捕獲許可を受けて自分で捕まえる方法と、業者に有料で捕獲を頼む方法があります。アライグマ、ハクビシン、ヌートリアを捕まえる場合は、市が捕獲箱を貸し出しています。相談先は、名古屋市緑政土木局 都市農業課(052-972-2499)です。
業者に頼むときは?
業者による捕獲や駆除の相談先として、名古屋市は公益社団法人愛知県ペストコントロール協会(052-452-7122、平日10時から16時)を案内しています。
見積もりでは、捕獲や追い出しだけでなく、侵入口のふさぎ、ふんの掃除、消毒、断熱材の交換まで含まれているかを確かめます。追い出しだけで終わると、すぐに戻ってくることがあります。
当社の場合
空き家の見回りでは、外まわりの点検で屋根や換気口、戸袋の破れを確かめ、室内の確認では天井のシミやふん、においの変化を写真付きの報告書でお伝えします。動物の跡に気づいたら、すぐにご連絡します。駆除業者の作業に立ち会えない場合は、立ち会いの代行を1回3,000円でお受けしています。
実家の天井裏で物音やシミに気づいた方へ
空き家の状態を見回り、動物の跡があれば写真でお伝えします。業者の作業の立ち会いもお受けします。相談は無料です。
追い出したあとに、やることは?
再び住みつかれないために、追い出したあとの作業を確認していきます。
侵入口は、どうふさぐ?
動物がいなくなったことを確かめてから、屋根や軒下のすき間、換気口、床下の通気口、壊れた戸袋などをふさぎます。金網や板、パンチングメタルなど、かじられにくい材料を使います。
動物が中にいるままふさぐと、出られなくなって中で死に、悪臭や虫の原因になります。ふさぐ前に、数日かけていなくなったことを確かめます。
ふんや尿の掃除は?
天井裏や床下にたまったふんや尿は、取り除いたうえで消毒します。病原体やダニが含まれていることがあるため、自分で掃除する場合は、マスクと手袋をつけ、ふんが舞い上がらないよう湿らせてから取り除きます。
尿が染み込んだ断熱材や天井板は、においが残るため、交換が必要になることもあります。量が多い場合は、業者に頼む方が安全です。
住みつかせないための管理は?
食べ物や生ごみを家に残さない、庭の果物を早めにとる、草木を刈って隠れ場所を減らすといった管理が、住みつかせない対策になります。人が出入りして、窓を開けて換気するだけでも、動物は寄りつきにくくなります。
草木の手入れは空き家の草木でご近所から苦情が来たらで、換気の頻度は空き家の換気はどのくらいの頻度が必要?で解説しています。
売るときや、ご近所への影響は?
空き家を持ち続けるときや、売るときの注意点を確認していきます。
ご近所に迷惑がかかる?
空き家に住みついた動物が、近所の家の屋根裏や庭に入り込んだり、ふんや悪臭で迷惑をかけたりすることがあります。苦情を受けてから慌てるより、気づいた段階で対処する方が、ご近所との関係もこじれません。
傷みや衛生の状態が悪いまま放置すると、名古屋市から管理を求められることもあります。考え方は名古屋市で「特定空家」に指定されるとどうなる?で解説しています。
火災保険は使える?
動物による天井の汚れや配線のかじり跡は、多くの火災保険で補償の対象外とされています。ただし、ネズミがかじった配線から火事になった場合など、火災として補償されることもあります。契約の内容は保険会社に確かめてください。空き家の保険は空き家の火災保険に入れないと言われたらで解説しています。
売るときは、伝える必要がある?
動物が住みついていたことや、その被害は、売るときに買主に伝えます。駆除や修理をしたなら、その内容と時期も伝えます。伝えずに売って、あとで天井のシミや悪臭が見つかると、責任を問われることがあります。
直さずにそのまま売る場合も、被害を伝えたうえで、責任を負わない条件で売る方法があります。考え方は古い空き家を売ったあとで不具合が見つかったら?で解説しています。
当社の場合
動物の被害がある空き家のご相談では、駆除や修理をしてから売る場合と、被害を伝えたうえでそのまま売る場合の手取りを並べてお伝えします。買取のご相談もお受けしています。売るまでの間の管理は、外まわりの見回りを月4,000円、室内の確認を含めて月8,000円(税別)でお受けしています。
動物の被害がある実家の扱いに迷っている方へ
駆除して売る場合と、そのまま売る場合の手取りを比べてお伝えします。遠方の方も電話で進められます。相談は無料です。
空き家の動物の被害についてよくある質問
ハクビシンを自分で捕まえてもいいですか?
許可なく捕まえてはいけません。名古屋市では、市長の捕獲許可を受ければ、被害を受けている自分の敷地の中で捕まえられます。捕まえたあとの処分も自分で行う必要があるため、遠方の方は業者に頼む方が現実的です。
コウモリが住みついた場合は?
家に住みつくコウモリも、鳥獣保護管理法で守られていて、許可なく捕まえられません。夕方に外へ飛び出したあとに侵入口をふさぐ、忌避剤で追い出すといった方法をとります。
遠方に住んでいて、駆除に立ち会えません。
業者によっては、鍵を預けて作業してもらえることもありますが、作業の前後の状態を確かめる人がいると安心です。家族や管理を頼んでいる会社に立ち会ってもらう方法があります。鍵の預け方は空き家の鍵を業者に預けて大丈夫?で解説しています。
駆除したのに、また物音がします。
侵入口が残っているか、別の動物が入り込んでいる可能性があります。屋根や床下の点検をし直し、ふさいだ場所が壊されていないかを確かめてください。ふんや尿のにおいが残っていると、ほかの動物を呼び寄せることもあります。
動物の被害がひどい空き家は、解体した方がいいですか?
天井や床の傷みがひどく、直す費用がかさむ場合は、解体して土地として売る方法も考えます。直す、解体する、そのまま売るの費用と手取りを比べて決めてください。解体の判断は空き家は解体してから売る?そのまま売る?で解説しています。
名古屋の空き家の動物の被害は、どの動物かを見分けることから始めよう
空き家に住みつく動物は、ネズミと、ハクビシンやアライグマなどの野生動物で、対処が違います。ネズミは市販の薬剤や業者で駆除し、野生動物は名古屋市の捕獲許可を受けるか、業者に頼みます。追い出したあとは侵入口をふさぎ、ふんや尿の掃除と消毒をします。売るときは被害を買主に伝えてください。
名古屋の空き家の管理や売却でお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。