この記事の結論
空き家の換気は、月1回が基本です。月1回、晴れた日に家中の窓と押入れを開けて30分〜1時間、風を通せば、多くの家はカビと臭いを防げます。ただし、名古屋の梅雨から夏にかけて、川沿いや低い土地の家、北側の部屋が多い家、床下の湿気が強い家は、月1回では足りないことがあります。そうした家は、巡回の回数を増やすか、除湿剤や換気扇を組み合わせて、巡回と巡回の間の湿気を抑えます。
空き家の管理でいちばん基本になるのが換気です。「たまに窓を開ければいいんでしょう」と思われがちですが、頻度とやり方で効果がかなり違います。どのくらいの間隔で、どうやって換気すればいいのか。名古屋の気候と、実際に空き家を見てきた経験から整理します。
閉め切った家で起きていること
人が住んでいる家は、毎日ドアや窓の開け閉めがあり、エアコンや換気扇が動き、空気が入れ替わっています。空き家になるとそれが止まり、湿気が家の中にこもります。
- 湿気がたまる:外の湿った空気が少しずつ入り、出ていかない。特に床下・押入れ・北側の部屋にたまります。
- カビが出る:湿気がこもった状態が続くと、畳・壁紙・押入れの布団・家具の裏からカビが広がります。
- 臭いが染みつく:カビの臭いと、排水口からの下水の臭いが混ざって、空き家特有の臭いになります。この臭いは、家を売るときや貸すときの印象を大きく下げます。
- 木が傷む:湿気が続くと、床下の土台や柱が腐りやすくなり、シロアリも寄ってきます。
換気は、この流れを月に一度リセットする作業です。
正しい換気のしかた
天気と時間
換気は、晴れて乾いた日に行います。雨の日や雨上がりに窓を開けると、湿った空気を家の中に入れることになり、逆効果です。時間は、午前10時から午後3時ごろの、気温が上がって空気が乾いている時間帯が向いています。開けておく時間は30分〜1時間が目安です。
風の通り道をつくる
窓を1か所開けるだけでは、空気はあまり入れ替わりません。家の対角線上にある窓を2か所以上開けて、風の入口と出口をつくります。2階建てなら、1階と2階の窓を開けると、温度差で空気が流れやすくなります。
押入れ・収納・水まわりも開ける
カビが出やすいのは、窓のある部屋よりも、押入れ、クローゼット、靴箱、洗面所の収納、浴室です。換気のときは、押入れの襖やクローゼットの扉、収納の扉もすべて開けて、中の空気を出します。浴室とトイレは、窓があれば開け、換気扇があれば回します。
換気扇と通水を一緒に
電気を残している家なら、キッチン・浴室・トイレの換気扇を換気の間だけ回すと、空気の入れ替わりが早くなります。同時に、全部の蛇口を開けて排水口に水をためておくと、下水の臭いも止まります(空き家の電気・水道は解約していい?)。
当社の場合
室内プラン(月8,000円・税別)の巡回では、全室の窓を開けて風の通り道をつくり、押入れ・クローゼット・収納の扉もすべて開けて30分以上置きます。その間に全部の蛇口を開けて通水し、帰る前に窓と扉を閉めて施錠を確認します。カビや結露の跡、しみがあれば写真に撮り、前回と比べて広がっていないかを報告書でお伝えします。雨の日に巡回日が当たった場合は、窓を開けずに換気扇と通水だけにして、天気の良い日に改めて換気することもあります。
季節ごとの注意
| 季節 | 気をつけること |
|---|---|
| 梅雨(6〜7月) | 一年でいちばん湿気がたまる時期。晴れ間を狙って換気する。月1回では足りない家が出てくる |
| 夏(7〜9月) | 高温多湿でカビが一気に広がる。閉め切った家は室温が上がり、家具や畳が傷みやすい |
| 秋(10〜11月) | 空気が乾き、換気しやすい季節。梅雨と夏に出たカビの確認と、台風のあとの点検 |
| 冬(12〜2月) | 窓の結露。寒い日に急に暖かい空気を入れると、壁の中で結露することも。日中の晴れた時間に短めに |
月1回では足りない家
次のような家は、月1回の換気だけでは湿気が抑えきれないことがあります。
- 川沿いや低い土地の家:名古屋市内では、港区・中川区の全域や、庄内川・堀川・山崎川・新堀川沿いなど、地面が低く地下水位が高い場所。床下から湿気が上がってきます。
- 北側の部屋が多い家、日当たりの悪い家:日が当たらない部屋は乾きにくく、カビが出やすいです。
- 床下の換気が弱い古い木造の家:床下の換気口がふさがっている、物置で隠れている、といった家。
- 家財が多い家:押入れや部屋に物が詰まっていると、風が通らず湿気が抜けません。
- 雨漏りがある家:換気以前に、雨漏りを止めないと湿気は減りません。
巡回と巡回の間にできる湿気対策
- 置き型の除湿剤:押入れ・クローゼット・洗面所に置きます。水がたまったら交換が必要なので、巡回のときに確認・交換します。
- 押入れの襖を少し開けておく:閉め切るより湿気がこもりにくくなります。
- 床下の換気口をふさがない:外まわりの換気口の前に物を置かない、植木で隠さない。
- 布団・衣類を減らす:湿気を吸ってカビの原因になります。使わない布団は先に処分するか持ち出すのがおすすめです。
- 24時間換気がある家は回しておく:比較的新しい家で24時間換気の設備があれば、電気を残して回し続けるのが効果的です。電気代はかかりますが、カビの被害に比べれば小さく済みます。
当社の場合
月1回では足りないと判断した家は、除湿剤の設置と巡回時の交換、床下換気口のまわりの整理、電気を残して換気扇やエアコンの除湿を使う方法などを組み合わせてご提案します。梅雨から夏の間だけ巡回を増やすことも、ご相談に応じて追加料金でお受けしています。湿気の強い家は、無理に「月1回で大丈夫」とは言いません。
自分で換気する場合のチェックリスト
帰省のときにご自身で換気する場合は、次の順番でやると効率よくできます。
- 晴れて乾いた日を選ぶ(雨の日・雨上がりは避ける)
- 対角線上の窓を2か所以上、1階と2階の両方を開ける
- 押入れ・クローゼット・収納の扉をすべて開ける
- 換気扇を回し、全部の蛇口を数分開けて排水口に水をためる
- 30分〜1時間置く。その間にカビ・しみ・結露の跡を確認し、写真を撮る
- 窓・扉を閉め、施錠を確認。ブレーカーとガスの状態も確認
ただ、遠方から帰省のたびにこれをやっても、間隔が空けば湿気はまた戻ります。年に数回しか帰れない場合は、東京・横浜から名古屋の実家を管理する方法も参考にしてください。
まとめ:相談すると何が分かるか
空き家の換気は月1回が基本で、晴れた日に風の通り道をつくり、押入れまで開けて30分〜1時間。ただし、梅雨から夏、低い土地や日当たりの悪い家では月1回で足りないことがあり、除湿剤や換気扇、巡回の追加を組み合わせます。
名古屋空き家相談室にご相談いただくと、次のことが分かります。
- 今の家の湿気・カビ・臭いの状態(写真で)
- 立地と建物から見て、月1回で足りるか、追加の対策が要るか
- 電気を残して換気扇や除湿を使うべきか
- 毎月の換気・通水を当社に任せる場合の費用(空き家管理の内容と料金)
初回の現地確認と相談は無料です。次の梅雨が来る前に、一度見せてください。