「亡くなった父あての封筒が市役所から届いた」「法務局から、相続登記がされていないという通知が来たが、何をすればいいのかわからない」。空き家になった実家について、名古屋市や法務局から文書が届くと、何か問題を起こしたのではと不安になる方もいます。
この記事では、名古屋の実家の空き家について届くことのある文書の種類と意味、届いたときに最初にすること、それぞれへの対応のしかたと、相談できる窓口を解説します。
この記事の結論
空き家について届く主な文書は、名古屋市の固定資産現所有者申告の依頼、法務局の長期間相続登記等がされていないことの通知、空き家の管理を求める名古屋市の助言や指導の文書です。現所有者申告には3か月の期限があり、相続登記は相続を知った日から3年以内の義務です。管理を求める文書を放置すると、勧告を受けて固定資産税の特例が外れることもあります。届いたら、差出人と連絡先を公式のホームページで確かめ、登記簿で実家の名義を確かめてから、申告や相続登記、管理の改善、売却の検討を進めます。
どんな文書が届く?
最初に、空き家について届くことのある文書の種類と意味を確認していきます。
固定資産現所有者申告の依頼とは?
名古屋市では、土地や家屋の持ち主が亡くなり、相続登記がまだの場合、新しく持ち主になった人に、市税事務所へ固定資産現所有者申告書を出すよう求めています。名古屋市に住民登録していた人が亡くなり、相続登記が一定期間されない場合などには、市税事務所から親族あてに申告を依頼する文書が送られることがあります。
申告の期限は、自分が持ち主だと知った日の翌日から3か月です。申告しない場合は、10万円以下の過料を科されることがあります。相続登記を済ませた場合や、相続放棄をした場合は、申告は不要です。
法務局からの通知とは?
法務局は、長い間相続登記がされていない土地について、法定相続人を調べ、そのうちの一人に「長期間相続登記等がされていないことの通知(お知らせ)」を送っています。愛知県内でも、名古屋法務局が一部の土地について通知を送っています。
通知は、この機会に相続登記をするよう求めるものです。名古屋法務局は、この通知に費用の振り込みを求める記載は一切ないと案内しています。相続登記の義務については相続した空き家の名義変更はいつまで?で解説しています。
空き家の管理を求める文書とは?
名古屋市は、空家等対策の推進に関する特別措置法にもとづいて、空き家の持ち主に管理について助言や指導をしています。固定資産税の納税通知書やリーフレットでも、空き家の適切な管理を呼びかけています。
草木の越境や建物の傷みなどで、周りに悪い影響が出ている空き家は、管理不全空家や特定空家として、助言や指導、勧告を受けることがあります。勧告を受けると、固定資産税の住宅用地の特例が外れ、税金が上がります。流れは名古屋市で「特定空家」に指定されるとどうなる?で解説しています。
届いたら、まず何をする?
文書が届いたときに、最初にしておきたいことを確認していきます。
本物の文書か、どう確かめる?
差出人の役所の名前と連絡先を、文書に書かれた番号ではなく、名古屋市や法務局の公式のホームページで調べた番号と照らし合わせます。役所からの文書で、手数料などの振り込みを求められることは通常ありません。振り込みを求める文書や電話は、詐欺を疑います。
不安な場合は、公式のホームページに載っている窓口に、文書が届いたことを伝えて確かめます。
実家の名義は、どうなっている?
法務局で登記事項証明書を取り、実家の土地と建物が、亡くなった親の名義のままか、祖父母の名義のままかを確かめます。名義人がさらに前の世代だと、相続人の数が増え、手続きに時間がかかります。
相続人が誰かは、亡くなった人の戸籍をそろえて確かめます。兄弟がいる場合は、文書が届いたことを全員に伝えます。
期限は、いつまで?
固定資産現所有者申告は、持ち主だと知った日の翌日から3か月が期限です。相続登記は、相続を知った日から3年以内の義務で、2024年4月より前の相続でも、2027年3月31日までに登記する必要があります。管理を求める文書には、改善の期限が書かれていることがあります。
文書に書かれた期限と、手続きの期限をメモしておき、どれから手をつけるかを決めます。
当社の場合
名古屋市や法務局から文書が届いたご相談では、文書の内容を一緒に確かめ、登記簿で実家の名義を調べたうえで、申告や相続登記、管理の改善のうち何から進めるかを整理してお伝えします。管理を求められた空き家は、現地で草木や建物の状態を確かめ、改善の方法をご提案します。
それぞれ、どう対応する?
文書の種類ごとの対応のしかたを確認していきます。
申告と相続登記は、どう進める?
遺産分割が決まっていれば、相続登記をすれば現所有者申告は不要になります。分割がまだなら、戸籍などを添えて法定相続人として申告し、そのあとで遺産分割と相続登記を進めます。申告書は郵送のほか、電子申請もできます。
遺産分割協議書の書き方は実家を分ける遺産分割協議書の書き方と注意点で解説しています。
管理を求められたら?
伸びた草木を刈る、壊れた塀や屋根を直す、ごみを片付けるなど、文書で指摘された点を改善し、市の担当に改善したことを伝えます。遠方で自分では対応できない場合は、管理を頼む方法があります。
草木の苦情への対応は空き家の草木でご近所から苦情が来たらで、管理を頼む費用は空き家管理の費用相場と、月4,000円で何をしてもらえるかで解説しています。
この機会に、売ることを考える?
文書が届いたことをきっかけに、実家をこの先どうするかを家族で話し合い始める方もいます。管理を続ける費用と手間、売った場合の手取りを比べて、持ち続けるか手放すかを決めます。
相続した空き家の3,000万円控除には期限があるため、売るなら早めに準備を始めます。売るまでの流れは名古屋の空き家の売却にかかる期間と流れで解説しています。
どこに相談できる?
名古屋市は、空き家の対策について専門家の団体と協定を結び、相談窓口を案内しています。相続登記は愛知県司法書士会、境界や建物の登記は愛知県土地家屋調査士会、売却や活用は愛知県宅地建物取引業協会や全日本不動産協会愛知県本部、税金は名古屋税理士会などが受け付けています。
名古屋市の空き家の相談先の使い分けは名古屋市の空き家の相談窓口はどこ?で解説しています。
当社の場合
文書をきっかけに実家をどうするか考えたい方には、管理を続ける場合の費用と、売った場合の手取りを並べてお伝えします。管理は、外まわりの見回りを月4,000円、室内の確認を含めて月8,000円(税別)でお受けし、写真付きの報告書をお送りします。遠方の方も電話と郵送で進められます。
文書をきっかけに実家をどうするか考えたい方へ
管理を続ける場合の費用と、売った場合の手取りを並べてお伝えします。遠方の方も電話で進められます。相談は無料です。
空き家についての文書のよくある質問
文書を無視していると、どうなりますか?
現所有者申告をしないと過料を科されることがあり、相続登記の義務を怠ると10万円以下の過料の対象になります。管理を求める文書を放置すると、勧告を受けて固定資産税の特例が外れることがあります。届いたら早めに中身を確かめてください。
兄弟のうち、自分にだけ届きました。
法務局の通知は、法定相続人のうち任意の一人に送られます。自分にだけ届いても、相続人全員に関わる内容です。兄弟に知らせ、誰が手続きを進めるかを話し合います。進め方は兄弟が遠方に分かれて住む実家の話し合いの進め方で解説しています。
名古屋から遠く離れて住んでいても、手続きできますか?
現所有者申告は郵送や電子申請で、相続登記も郵送やオンラインで手続きできます。管理の改善は、現地の管理会社に頼めます。遠方から実家を売る手順は名古屋に一度も行かずに実家の空き家を売るには?で解説しています。
不動産会社から、実家を売らないかという手紙が届きました。
不動産会社からの手紙は、名古屋市や法務局からの文書とは別のものです。売るかどうかを急いで決める必要はありませんが、実家の今の価格を知るきっかけにはなります。手紙の内容と会社の情報を確かめ、査定の根拠を聞いてから判断します。
空き家を解体すれば、文書は届かなくなりますか?
建物を解体すれば、建物の管理を求める文書は届かなくなりますが、土地の固定資産税の特例が外れ、税金が上がることがあります。相続登記の義務も残ります。解体するかどうかは、売り方とあわせて考えます。比べ方は空き家は解体してから売る?そのまま売る?で解説しています。
空き家についての文書が届いたら、差出人と実家の名義を確かめることから始めよう
空き家について届く文書には、名古屋市の固定資産現所有者申告の依頼、法務局の長期間相続登記がされていないことの通知、管理を求める助言や指導の文書などがあります。届いたら、差出人を公式のホームページで確かめ、登記簿で実家の名義を確かめてから、期限の近いものから申告や相続登記、管理の改善を進めてください。
名古屋の実家の空き家についての文書や手続きでお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。