「実家を売ると決めたけれど、引き渡しまでにどれくらいかかるのか見当がつかない」「何から順番に進めればいいのかわからない」と迷う方は少なくありません。空き家の売却は、一般の住み替えの売却に比べて、相続登記や家財の片付けなど、売り出す前の準備に時間がかかることが多いのが特徴です。
この記事では、空き家を売ると決めてから、引き渡し、確定申告までの流れを順番に整理し、それぞれの段階で時間がかかりやすいところと、期間を短くするための工夫を解説します。
この記事の結論
空き家の売却は、相談と査定、名義の確認と相続登記、売り方の決定、片付けや測量などの準備、売り出し、売買契約、決済と引き渡し、翌年の確定申告という流れで進みます。仲介で売る場合、売り出しから引き渡しまでに数か月、売り出す前の準備にもさらに数か月かかることがあり、全体では半年から1年ほどを見込んでおくと安心です。時間がかかりやすいのは、相続登記、片付け、境界の確認、買主探しの4つで、これらを並行して進めることが期間を短くする近道です。
空き家の売却は、どんな流れで進む?
最初に、全体の流れを確認していきましょう。
売却の流れを一覧にすると?
空き家を仲介で売る場合の主な流れは、次のとおりです。
| 段階 | すること | 時間がかかりやすい点 |
|---|---|---|
| 1 相談と査定 | 売れる見込みの価格と売り方を聞く | 現地の確認と調査 |
| 2 名義の確認 | 登記簿を確かめ、必要なら相続登記 | 戸籍の収集、遺産分割の話し合い |
| 3 売り方の決定 | 仲介か買取か、古家付きか解体か | 家族の意見をそろえる |
| 4 媒介契約 | 不動産会社に売却を頼む | 契約の種類を決める |
| 5 売り出す前の準備 | 書類の整理、片付け、測量 | 家財の量、隣との立ち会い |
| 6 売り出し | 広告、見学の対応 | 買主が見つかるまで |
| 7 売買契約 | 条件をまとめて契約、手付金の受け取り | 価格や条件の交渉 |
| 8 決済と引き渡し | 代金の受け取り、名義の移転、鍵の引き渡し | 買主の住宅ローンの手続き |
| 9 確定申告 | 売った翌年に申告 | 特例を使う場合の書類 |
全体で、どれくらいの期間がかかる?
家の事情によって大きく変わりますが、仲介で売る場合、売り出しから引き渡しまでに数か月かかるのが一般的です。さらに、相続登記や片付け、測量が必要な場合は、売り出す前の準備にも数か月かかることがあります。
そのため、売ると決めてから引き渡しまで、全体で半年から1年ほどを見込んでおくと、予定を立てやすくなります。買取で売る場合は、売り出しと買主探しの期間がないため、条件がまとまれば短い期間で終わります。
売り出す前に、何をする?
売り出す前の段階を、順番に確認していきます。
STEP1|相談と査定
最初に、不動産会社に相談し、査定を受けます。家の住所がわかれば、登記簿や地図を取り寄せて調べてもらえます。空き家は家ごとの事情が大きいため、現地を見てもらう訪問査定を受けると、売り方や必要な準備まで具体的に聞けます。
査定では、価格だけでなく、売り方ごとの手取りや、売り出しまでに必要な準備も聞いておきます。査定の見方は名古屋の空き家の査定はどう決まる?で解説しています。
STEP2|名義の確認と相続登記
登記簿で、家の名義が誰になっているかを確かめます。亡くなった親の名義のままなら、売る前に相続登記が必要です。相続登記には、親の出生から亡くなるまでの戸籍や、相続人全員の合意が必要で、相続人が多いと時間がかかります。
兄弟で共有している場合は、共有者全員が売主になり、全員の同意と手続きが必要です。相続登記の期限は相続した空き家の名義変更はいつまで?で解説しています。
STEP3|売り方を決めて、媒介契約を結ぶ
査定の結果をもとに、仲介で売るか買取で売るか、建物を残して古家付き土地で売るか、解体して更地で売るかを決めます。家族で相続した家なら、全員の意見をそろえてから決めます。
仲介で売る場合は、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約の種類と選び方は空き家の売却はどの不動産会社に任せる?で解説しています。
STEP4|書類の整理と、片付け・測量
権利証、固定資産税の納税通知書、家を買ったときの契約書、建築の図面などの書類を集めます。家財が多い場合は片付けを、境界がはっきりしない場合は測量を進めます。
片付けは家財の量によって、測量は隣の人や道路の管理者との立ち会いによって、それぞれ数か月かかることがあります。家財を残したまま売る方法もあるため、必要な準備だけに絞ることが期間を短くする近道です。
当社の場合
売却のご相談では、査定のときに、相続登記、片付け、測量のうち、どの準備が必要かを確かめ、売り出しまでの予定を一緒に立てます。相続登記は司法書士、測量は土地家屋調査士をご紹介し、片付けは名古屋市の許可を持つ業者の手配をお手伝いします。それぞれを並行して進めることで、売り出しまでの時間をできるだけ短くするようにしています。
実家を売るまでの予定を立てたい方へ
必要な準備を確かめ、相続登記から引き渡しまでの予定を一緒に立てます。遠方の方も電話で進められます。相談は無料です。
売り出してから、引き渡しまでは?
売り出したあとの流れを確認していきます。
STEP5|売り出しと見学の対応
不動産会社が広告を出し、買主を探します。専任媒介や専属専任媒介の場合は、不動産会社どうしで物件の情報を共有するレインズに登録されます。
見学の希望があれば、不動産会社が鍵を使って案内します。問い合わせや見学の件数と反応を報告してもらい、反応が少なければ、価格や売り方を見直します。
STEP6|購入の申し込みと売買契約
買主が見つかると、購入の申し込みを受け、価格や引き渡しの時期、家財の扱い、建物の不具合の責任などの条件を話し合います。条件がまとまったら、売買契約を結び、買主から手付金を受け取ります。
買主が住宅ローンを使う場合は、ローンの審査が通らなかったときに契約を白紙にできる条件をつけるのが一般的です。売ったあとの責任の考え方は古い空き家を売ったあとで不具合が見つかったら?で解説しています。
STEP7|引き渡しの準備
売買契約から引き渡しまでの間に、家財の片付け、境界の明示、抵当権の抹消、住所の変更登記など、契約で約束したことを済ませます。買主は、この間に住宅ローンの手続きを進めます。
契約から引き渡しまでの期間は、買主のローンの手続きや、売主の準備に合わせて、契約のときに決めます。
STEP8|決済と引き渡し
決済の日には、買主から残りの代金を受け取り、司法書士が名義を買主に移す登記を申請します。あわせて、仲介手数料や登記の費用を払い、固定資産税を日割りで精算します。
最後に鍵を買主に渡して、引き渡しは完了です。遠方に住んでいる場合は、事前に司法書士の確認を受けておけば、決済に立ち会わずに済ませることもできます。進め方は名古屋に一度も行かずに実家の空き家を売るには?で解説しています。
売ったあとに、することは?
引き渡しが終わったあとにも、手続きがあります。
3,000万円控除の確認書は、どこで受け取る?
相続した空き家の3,000万円控除を使う場合は、家のある市区町村から被相続人居住用家屋等確認書を受け取り、確定申告に添えます。名古屋市の家なら、市役所本庁舎の地域振興課が窓口で、郵送でも申請できます。
名古屋市の案内では、申請から交付まで1週間程度、時期によっては2週間程度かかるとされています。窓口で申請や相談をする場合は、電話での予約が必要です。確定申告の時期に間に合うよう、引き渡しが済んだら早めに申請してください。
確定申告は、いつする?
売った翌年の2月16日から3月15日までに、今住んでいる地域を受け持つ税務署で確定申告をします。3,000万円控除などの特例を使う場合は、税金がかからなくても申告が必要です。
住民税は、確定申告の内容をもとに、翌年の6月ごろから納めます。税金の計算は名古屋の空き家を売ると税金はいくら?で解説しています。
ほかに、忘れやすい手続きは?
電気、水道、ガスの契約の解約や名義の変更、火災保険の解約、郵便物の転送の届け出の変更などを済ませます。管理を会社に頼んでいた場合は、その契約も終わらせます。
町内会や隣の家に、家を売ったことを伝えておくと、あとで連絡が来て困ることがなくなります。
当社の場合
引き渡しが終わったあとも、3,000万円控除を使う方には、名古屋市への確認書の申請に必要な書類をご案内し、売買契約書などの写しをお渡しします。確定申告は税理士の仕事のため、必要な場合はご紹介します。売り出しから引き渡しまでの間は、空き家の管理も月4,000円からお受けしています。
空き家の売却期間についてよくある質問
売却を急ぎたい場合は、どうすればいいですか?
相続登記、片付け、測量を並行して進めること、家財を残したまま売れる方法を選ぶこと、早く確実に売れる買取を検討することが、期間を短くする方法です。買取と仲介の比べ方は空き家は買取と仲介のどちらで売る?で解説しています。
売れるまでの間、空き家はどうしておけばいいですか?
換気や草刈りなどの管理を続け、見学に来た人がよい印象を持てるようにしておきます。閉め切ったままだとカビや臭いが出て、見学の印象が悪くなります。遠方に住んでいる場合は、管理を会社に頼む方法もあります。
売り出してから、なかなか売れない場合は?
問い合わせや見学の件数と反応をもとに、価格、建物の状態、広告の出し方のどこに原因があるかを考えます。価格を見直す、古家付き土地として売り直す、買取に切り替えるといった方法があります。考え方は名古屋で売れない空き家はどうする?で解説しています。
売買契約のあとで、やめることはできますか?
契約のあとに売主の都合でやめる場合は、受け取った手付金の倍の額を買主に払って解除するのが一般的です。契約の内容によって条件が違うため、契約の前に家族で意思を固めておくことが大切です。
遠方に住んでいても、この流れで進められますか?
はい、進められます。名古屋空き家相談室では、鍵をお預かりして現地の確認や見学の案内を行い、書類のやりとりは郵送などで進めています。名古屋に来られなくても、相談から引き渡しまでご相談いただけます。
名古屋の空き家の売却は、全体の流れを知って準備を並行することから始めよう
空き家の売却は、査定、相続登記、売り方の決定、片付けや測量の準備、売り出し、売買契約、決済と引き渡し、確定申告という流れで進み、全体で半年から1年ほどかかることがあります。時間がかかりやすい相続登記、片付け、境界の確認を並行して進め、3,000万円控除を使う場合は名古屋市の確認書の申請も早めに済ませてください。
名古屋の空き家の売却の進め方でお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。