「鳴海の実家に住んでいた母が施設に入り、空き家になった」「有松の古い家を相続したが、町並みの決まりがあると聞いた」。名古屋市緑区は、名古屋市で最も人口の多い区で、丘陵地を開いた住宅地と、旧東海道沿いの古い町並み、川沿いの低い土地が広がっています。場所によって、実家を売るときに確かめることが変わります。
この記事では、緑区の空き家と地価の今の状況、緑区の実家を売る前に確かめておきたいこと、売り方の考え方と、手続きの窓口を解説します。
この記事の結論
緑区の空き家率は7.9%で、名古屋市16区の中で最も低く、地価もゆるやかに上がっています。北の鳴子丘陵と南の有松丘陵では土砂災害、扇川や天白川、大高川の沿いでは浸水の想定を確かめます。有松の町並み保存地区の中では、建て替えや解体の前に届出が必要で、勅使ヶ池のあたりの市街化調整区域では建て替えに制限がかかります。空き家が少なく住まいの需要がある地域のため、実家の条件を確かめたうえで、古家付きか解体かを手取りで比べます。固定資産税の相談先は金山市税事務所です。
緑区の空き家と地価は、いまどうなっている?
最初に、緑区の空き家の数と地価の動き、地域の特徴を確認していきます。
緑区の空き家は、どれくらいある?
2023年の住宅・土地統計調査では、緑区の空き家は8,730戸、空き家率は7.9%でした。名古屋市全体の13.2%を大きく下回り、16区の中で最も低い水準です。
新しい住宅地の開発が続き、子育て世代も多い緑区ですが、昭和の時代に開かれた住宅地では、親の世代だけが暮らす家が空き家になることもあります。区ごとの比べ方は名古屋市の空き家率は13.2%で解説しています。
緑区の地価は、上がっている?
愛知県がまとめた2026年の地価公示では、名古屋市の住宅地は平均3.1%上がりました。国の地価公示をもとにした民間の集計では、緑区の住宅地の平均は1平方メートルあたり約17万円で、前年より約3.2%上がっています。
中心部より価格が抑えめで、広めの土地が多いことは、緑区で家を探す人にとっての魅力です。実家の近くの価格は実家の土地の価格を自分で調べる方法で確かめられます。
緑区は、どんな地域に分かれる?
名古屋市の資料では、緑区は北部に鳴子丘陵、南部に有松丘陵があり、区を東西に扇川が横切り、南区との境に天白川、南部に大高川が流れています。丘陵地を開いた住宅地と、川沿いの平らな土地、旧東海道沿いの鳴海や有松の古い町並みがあります。
名鉄名古屋本線、地下鉄桜通線、JR東海道本線が通り、桜通線の徳重のあたりは新しい住宅地や商業施設が広がっています。駅からの距離は、緑区の実家を売るときに買主がよく見る点です。
緑区の実家を売る前に、確かめることは?
緑区ならではの、売る前に確かめておきたい点を確認していきます。
丘陵地と川沿いの、災害の想定は?
名古屋市の資料では、緑区の丘陵地では土砂災害の、川沿いの平らな土地では浸水の心配が大きいとされています。2000年の東海豪雨では、鳴海、浦里、緑の3つの学区で約9,000世帯に避難勧告が出され、土砂災害で1人が犠牲になりました。1959年の伊勢湾台風でも、大高、鳴海、有松で大きな被害が出ています。
丘陵地の実家は土砂災害警戒区域に入っていないかと擁壁の状態を、川沿いの実家は名古屋市の洪水や内水のハザードマップを確かめます。扱いは浸水のおそれがある地域の実家を売るときで解説しています。
有松の町並み保存地区に入っていない?
有松は、名古屋市の町並み保存地区の一つです。保存地区の中で建物を新築、増改築、解体するときは、事前に市に相談し、届出をする必要があります。有松の一部は、国の伝統的建造物群保存地区にも選ばれ、地区計画もあるため、別に協議や許可が必要です。
伝統的な建物の修理や、町並みに合わせる工事には、市の補助金が使える場合もあります。保存地区の中の実家は、解体や建て替えに手順がかかる点を、買主にも伝えておきます。
市街化調整区域に入っていない?
名古屋市内の市街化調整区域は、緑区の勅使ヶ池、守山区の志段味、中川区の富田、港区の南陽の4つの地域にあります。調整区域の中の家は、建て替えにも条件がつき、売り方が変わります。東部の丘陵地の一部は風致地区に入る場合もあり、建物の建て方に決まりがあります。
調整区域の注意点は市街化調整区域の空き家は売れる?で、風致地区の決まりは名古屋市千種区の実家・空き家を売るときに知っておきたいことで解説しています。
当社の場合
緑区の実家のご相談では、土砂災害警戒区域やハザードマップの想定、町並み保存地区や市街化調整区域かどうかを名古屋市の資料で確かめ、擁壁や建物の状態を現地で見てからお伝えします。売るまでの間の管理も、外まわりの見回りを月4,000円、室内の確認を含めて月8,000円(税別)でお受けしています。
緑区の実家は、どう売る?
緑区の実家を売るときの考え方を確認していきます。
どんな人が買主になる?
空き家が少なく、住まいを探す子育て世代も多い緑区では、駅に近い実家や、学校に通いやすい実家を求める家族が買主の候補になります。土地の広い実家は、建築会社が土地を分けて新しい家を建てるために買うこともあります。
買主に合わせた売り方の違いは空き家は買取と仲介のどちらで売る?で解説しています。
古家付きか、解体か?
古家付き土地として売るか、解体して更地で売るかを、解体の費用と手取りで比べます。丘陵地の実家は、重機が入りにくい、擁壁の工事が必要になるなどで、解体の費用が高くなることもあります。有松の保存地区の中では、解体の前に届出が必要です。
比べ方は空き家は解体してから売る?そのまま売る?で解説しています。
売る時期は、どう考える?
需要のある地域でも、空き家のまま置いておくと、建物の傷みや管理の費用、固定資産税がかさみます。相続した空き家の3,000万円控除には、相続から3年を経過する年の12月31日までという期限もあります。考え方は空き家を売るタイミングはいつ?で解説しています。
当社の場合
緑区の実家の査定では、近くで実際に売れた価格と、土地の条件や建物の状態を並べ、古家付きで売る場合と解体して売る場合の手取りをお伝えします。遠方にお住まいの方も、電話と郵送で売却を進められます。買取のご相談もお受けしています。
緑区の実家・空き家についてよくある質問
緑区の実家の固定資産税は、どこに相談しますか?
名古屋市の市税事務所のうち、緑区は金山市税事務所が担当しています。昭和区、瑞穂区、熱田区、南区、天白区も同じ事務所です。相続登記をしていない間の固定資産現所有者申告も、市税事務所に出します。
相続の手続きに使う戸籍は、どこで取れますか?
緑区役所のほか、元徳重一丁目にある徳重支所の窓口でも、戸籍や住民票を取れます。2024年3月からは、本籍地が遠くても、近くの役所で親の戸籍をまとめて取れるようになっています。
坂の上の家は、売りにくいですか?
坂の上の家は、眺めや日当たりがよいことが多い一方で、歩いて駅まで行けるか、車の出し入れがしやすいかを買主に見られます。駅やバス停までの道のりと、駐車のしやすさを確かめておきます。
空き家率が低い区でも、売れにくい家はありますか?
あります。前の道路が狭く建て替えができない家や、市街化調整区域の家、擁壁の造り直しが必要な家などは、売り方を工夫する必要があります。売れにくい家の出口は名古屋で売れない空き家はどうする?で解説しています。
遠方に住んでいても、緑区の実家を売れますか?
はい、売れます。鍵を預けて内覧や現地の確認を任せ、契約の書類は郵送でやり取りできます。手順は名古屋に一度も行かずに実家の空き家を売るには?で解説しています。
緑区の実家・空き家は、丘陵か川沿いか、区域を確かめることから始めよう
緑区の空き家率は7.9%と市内で最も低く、地価もゆるやかに上がっています。丘陵地では土砂災害と擁壁、川沿いでは浸水の想定を確かめ、有松の町並み保存地区や勅使ヶ池の市街化調整区域に入っていないかも確かめます。そのうえで、古家付きで売るか解体して売るかを手取りで比べて決めてください。
名古屋市緑区の実家や空き家でお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。