「本山の実家に住んでいた母が施設に入り、家が空いたままになっている」「東山のあたりの親の家を相続したが、建て替えに決まりがあると聞いた」。名古屋市千種区は、地下鉄東山線沿いの住宅地や大学の多い文教の街で、名古屋市内でも地価の高い地域です。一方で、東部の丘陵地には建物の建て方に決まりのある地区もあります。
この記事では、千種区の空き家と地価の今の状況、千種区の実家を売る前に確かめておきたいこと、売り方の考え方と、手続きの窓口を解説します。
この記事の結論
千種区の空き家率は14.5%で、名古屋市全体の13.2%を上回りますが、住宅地の地価は市の平均を上回るペースで上がっています。東部の丘陵地の一部は名古屋市の風致地区に入っていて、建て替えるときは建ぺい率が30%か40%以下、高さ10メートル以下などの決まりがあり、木を切るにも許可が必要です。丘陵地では土砂災害警戒区域、西部では地震のときの液状化も確かめます。地価の高い千種区では、古い家でも土地として評価されやすいため、決まりを確かめたうえで古家付きか解体かを手取りで比べます。固定資産税の相談先は栄市税事務所です。
千種区の空き家と地価は、いまどうなっている?
最初に、千種区の空き家の数と地価の動き、地域の特徴を確認していきます。
千種区の空き家は、どれくらいある?
2023年の住宅・土地統計調査では、千種区の空き家は14,620戸、空き家率は14.5%でした。名古屋市全体の13.2%を上回り、16区の中では5番目に高い水準です。
千種区は大学が多く、学生向けの賃貸住宅も多いため、賃貸の空き室も空き家の数に含まれています。親が施設に入ったり亡くなったりして空いたままの戸建ての実家も、その中に数えられています。区ごとの比べ方は名古屋市の空き家率は13.2%で解説しています。
千種区の地価は、上がっている?
愛知県がまとめた2026年の地価公示では、名古屋市の住宅地は平均3.1%上がりました。国の地価公示をもとにした民間の集計では、千種区の住宅地の平均は1平方メートルあたり約31万円で、前年より約3.9%上がり、市の平均を上回っています。
同じ千種区でも、地下鉄の駅に近い場所と、坂の上の住宅地とでは価格が違います。実家の近くの価格は実家の土地の価格を自分で調べる方法で確かめられます。
千種区は、どんな地域に分かれる?
千種区は、熱田台地と東部の丘陵地の上にあり、名古屋市西部の低い土地に比べて地盤が強いとされています。東へ行くほど土地が高くなり、坂や斜面が多くなります。丘陵の間には谷あいの土地もあります。
地下鉄東山線の千種、今池、池下、覚王山、本山、東山公園、星ヶ丘の駅と、名城線の駅が区内を通り、名古屋大学などの大学もあります。駅や大学に近いことは、千種区の実家を売るときに買主へ伝えられる点です。
千種区の実家を売る前に、確かめることは?
千種区ならではの、売る前に確かめておきたい点を確認していきます。
風致地区に入っていない?
名古屋市は、東部の丘陵地を中心に約3,000ヘクタールを風致地区に指定し、緑の多い街並みを守っています。風致地区の中で建物を建てたり、木を切ったりするには、市の許可が必要です。
| 主な決まり | 第1種風致地区 | 第2種風致地区 |
|---|---|---|
| 建ぺい率 | 30%以下 | 40%以下 |
| 建物の高さ | 10メートル以下 | 10メートル以下 |
| 道路から外壁まで | 2メートル以上 | 2メートル以上 |
| 隣地から外壁まで | 1.5メートル以上 | 1メートル以上 |
| 緑地の割合 | 30%以上 | 30%以上 |
風致地区の中では、同じ広さの土地でも建てられる家が小さくなるため、買主は建て替えの計画を立てて価格を考えます。区域は名古屋市の都市計画課の窓口や、都市計画の情報を見られるサービスで確かめられ、許可については緑政土木局の緑地維持課(052-972-2465)に相談できます。
土砂災害と液状化の想定は?
名古屋市の資料では、千種区の土砂災害警戒区域と特別警戒区域は58か所あり、東部の丘陵地に多くなっています。坂の上や斜面の近くの実家は、区域に入っていないかを確かめます。一方、区の西部は、大きな地震のときに液状化のおそれがあるとされています。
矢田川や香流川の近くでは、大雨による浸水の想定もあります。名古屋市のハザードマップで、実家の住所の想定を確かめておきます。売るときの重要事項説明では、土砂災害警戒区域や水害のハザードマップ上の位置が買主に説明されます。
擁壁と前の道路は?
丘陵地の住宅地では、擁壁の上や下に建つ家が多く見られます。古い擁壁は、ひび割れやふくらみがないかを見ておきます。造り直しが必要な場合は費用が大きくなり、価格に影響します。前の道路が狭い家や、細い通路の奥にある家は、建て替えができるかも確かめます。
道路の確かめ方は再建築不可の空き家を売るには?で解説しています。
当社の場合
千種区の実家のご相談では、風致地区や土砂災害警戒区域に入っていないかを名古屋市の資料で確かめ、擁壁や前の道路、建物の状態を現地で見てからお伝えします。売るまでの間の管理も、外まわりの見回りを月4,000円、室内の確認を含めて月8,000円(税別)でお受けしています。
千種区の実家・空き家をどうするか迷っている方へ
風致地区や土砂災害警戒区域を確かめ、建て替えの条件も含めて売り方をお伝えします。現地確認は無料です。
千種区の実家は、どう売る?
千種区の実家を売るときの考え方を確認していきます。
どんな人が買主になる?
地下鉄東山線の駅に近く、文教の街として知られる千種区では、子どもの学校を考える家族や、名古屋の中心部へ通勤する家族が買主の候補になります。地価が高いため、古い家を壊して新しい家を建てる建築会社が、土地として買うことも多くあります。
買主に合わせた売り方の違いは空き家は買取と仲介のどちらで売る?で解説しています。
古家付きか、解体か?
地価の高い千種区では、古い家でも土地としての価値で評価されやすくなります。古家付き土地として売るか、解体して更地で売るかを、解体の費用と手取りで比べます。丘陵地の実家は、重機が入りにくく、解体の費用が高くなることもあります。
比べ方は空き家は解体してから売る?そのまま売る?で、古家付きで売る考え方は古家付き土地として売るとは?で解説しています。
庭の木は、切ってもいい?
風致地区の中では、一定の木を切るにも許可が必要です。売る前に庭木をすべて切ってしまおうとする前に、区域に入っていないかを確かめます。庭木の手入れが必要な場合は、伸びた枝の剪定など、許可のいらない範囲で整えます。
庭木や草の扱いは空き家の草木でご近所から苦情が来たらで解説しています。
当社の場合
千種区の実家の査定では、近くで実際に売れた価格と、風致地区の決まりや土地の条件を並べ、古家付きで売る場合と解体して売る場合の手取りをお伝えします。遠方にお住まいの方も、電話と郵送で売却を進められます。買取のご相談もお受けしています。
千種区の実家がいくらで売れるか知りたい方へ
近くの成約価格と土地の条件をもとに、古家付きと解体した場合の手取りを比べてお伝えします。相談は無料です。
千種区の実家・空き家についてよくある質問
千種区の実家の固定資産税は、どこに相談しますか?
名古屋市の市税事務所のうち、千種区は栄市税事務所が担当しています。東区、北区、中区、守山区、名東区も同じ事務所です。相続登記をしていない間の固定資産現所有者申告も、市税事務所に出します。親の戸籍や住民票は、千種区役所の窓口で取れます。
風致地区の中の家は、売りにくいですか?
建てられる家の大きさに決まりがある分、建て替えを考える買主は慎重になりますが、緑の多い落ち着いた街並みを好む買主もいます。決まりの内容を整理して伝えられるようにしておくと、買主は判断しやすくなります。
坂の上の家は、売りにくいですか?
坂の上の家は、眺めや日当たりがよいことが多い一方で、歩いて駅まで行けるか、車の出し入れがしやすいかを買主に見られます。駅までの道のりや駐車のしやすさを確かめておきます。
地価が上がっているなら、待ってから売った方がいいですか?
地価がこの先も上がり続けるとは限りません。待つ間に建物は傷み、管理の費用や固定資産税もかかります。相続した空き家の3,000万円控除には、相続から3年を経過する年の12月31日までという期限もあります。考え方は空き家を売るタイミングはいつ?で解説しています。
遠方に住んでいても、千種区の実家を売れますか?
はい、売れます。鍵を預けて内覧や現地の確認を任せ、契約の書類は郵送でやり取りできます。手順は名古屋に一度も行かずに実家の空き家を売るには?で解説しています。
千種区の実家・空き家は、風致地区と土地の条件を確かめることから始めよう
千種区の空き家率は14.5%ですが、住宅地の地価は市の平均を上回って上がっています。東部の丘陵地では風致地区の決まりや土砂災害警戒区域、擁壁を、西部では液状化の想定を確かめます。そのうえで、古家付きで売るか解体して売るかを手取りで比べて決めてください。
名古屋市千種区の実家や空き家でお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。