「久しぶりに実家に帰ったら、廊下まで物が積み上がっていて足の踏み場もなかった」「親が亡くなって家に入ったら、どこから手をつけていいかわからないほどのごみだった」と途方に暮れる方は少なくありません。物があふれた実家は、片付けの量が多いだけでなく、家族の気持ちの負担も大きく、何年も手をつけられないままになりがちです。
この記事では、実家がごみ屋敷のようになっていたときに、親が住んでいる場合と空き家になった場合に分けて、相談先と片付けの進め方、片付けたあとに売るまでの流れを解説します。
この記事の結論
親がまだ住んでいる場合は、片付けを無理に進める前に、名古屋市のいきいき支援センターなどに相談し、親の暮らしを支える方法を一緒に考えるのが先です。名古屋市には、住んでいる家の堆積物を解消するための条例があり、市が片付けを働きかけたり支援したりします。親が亡くなるなどして空き家になった場合は、名古屋市の許可を持つ業者に片付けを頼み、書類や貴重品を探しながら進めます。物の量が多いと費用もかさむため、売る予定なら、家財を残したまま売る方法や、片付け費用を売却代金から払う方法も比べてから決めてください。
親がまだ住んでいる場合は、どうする?
最初に、親が実家で暮らしている場合の考え方を確認していきましょう。
子どもが勝手に片付けてもいい?
親が住んでいる家の物は、親の持ち物です。子どもが良かれと思って勝手に捨てると、親が強く反発したり、家族の関係がこじれたりすることがあります。
物がたまる背景には、体力が落ちてごみを出しに行けなくなった、片付ける気力がなくなった、物を捨てることに強い抵抗があるなど、さまざまな事情があると言われています。責めるより、まず親の暮らしぶりを確かめ、困っていることを聞くところから始めます。
どこに相談すればいい?
親が高齢であれば、名古屋市の各区にあるいきいき支援センターに相談できます。名古屋市における地域包括支援センターで、高齢者の暮らしや介護の相談を受け、必要に応じて介護サービスなどにつないでくれます。
また、名古屋市には、住んでいる家に物がたまって周りの生活環境に大きな支障が出ている状態を解消するための条例があり、環境局の担当課が相談を受け付けています。市は、まず住んでいる人に解消を働きかけ、必要に応じて堆積物の撤去や収集の支援、福祉サービスの申請の助言を行います。
放っておくと、どうなる?
物がたまったままにしておくと、火災の危険が高まり、ねずみや害虫、悪臭で近所に迷惑をかけることがあります。親自身も、転んでけがをしたり、物に埋もれて身動きが取れなくなったりするおそれがあります。
名古屋市の条例では、働きかけに応じず状態が解消されない場合、指導、勧告、命令の手続きがあり、最終的には市が強制的に撤去することもあると定められています。そうなる前に、家族と支援の窓口で話し合っておくことが大切です。
空き家になった実家が、ごみ屋敷だったら?
親が亡くなったり施設に入ったりして、物があふれたまま空き家になった場合の進め方です。
まず、何をすればいい?
最初に、生ごみや食べ物など、腐るものから処分します。そのまま置いておくと、悪臭や害虫が広がり、近所からの苦情につながります。
あわせて、戸締りを確かめ、家の中の写真を撮って、物の量と傷みの状態を記録しておきます。業者に見積もりを頼むときや、家族で話し合うときの材料になります。親が亡くなった直後にしておくことは親が亡くなったあと、名古屋の実家はどうする?で解説しています。
空き家になったら、名古屋市の条例は使える?
名古屋市のごみ屋敷対策の条例は、今住んでいる家が対象のため、誰も住んでいない空き家には使えません。空き家になったあとは、空家等対策の推進に関する特別措置法にもとづく空き家の対策の対象になります。
ごみがあふれて悪臭や害虫で周りに迷惑をかけている空き家は、管理不全空家や特定空家として、市から指導や勧告を受けることがあります。勧告を受けると、土地の固定資産税が上がります。流れは名古屋市で「特定空家」に指定されるとどうなる?で解説しています。
相続放棄を考えているなら、片付けてもいい?
相続放棄を考えている場合は、片付けを始める前に注意が必要です。亡くなった人の財産を処分すると、相続を認めたとみなされ、放棄できなくなることがあるためです。
腐るものの処分など、家を保つための最低限の作業にとどめ、放棄するかどうかを決めてから片付けを進めます。考え方は相続放棄すれば空き家の管理はしなくていい?で解説しています。
当社の場合
物があふれた空き家のご相談でも、家の中の状態を責めることはありません。まず現地で物の量と建物の傷みを確認し、片付けてから売る、家財を残したまま売る、片付けたうえで管理を続けるといった進め方を比べてお伝えします。片付けは名古屋市の許可を持つ業者をご紹介し、遠方の方には作業の立ち会いも1回3,000円でお受けしています。
物があふれた実家をどうするか迷っている方へ
家の中の状態を責めることなく、片付けと売却の進め方を一緒に考えます。遠方の方も電話と写真で進められます。現地確認は無料です。
ごみ屋敷になった実家の片付けは、どう進める?
実際に片付けるときの進め方を確認していきます。
家族だけで片付けられる?
物の量が少なければ家族だけでも進められますが、部屋いっぱいに物がたまっている場合は、家族だけで片付けるのは現実的ではありません。運び出す量が多く、体力的にも衛生面でも負担が大きいためです。
家族は、残す物を選ぶことと、書類や貴重品を探すことに集中し、運び出しと処分は業者に任せるほうが、早く確実に終わります。進め方の考え方は帰省のたびに実家を片付けても終わらないのはなぜ?で解説しています。
業者は、どう選べばいい?
名古屋の家の家財やごみを運ぶには、名古屋市の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。許可を持つ業者か、許可業者と組んで作業する業者を選び、許可のない回収業者には頼まないようにします。
見積もりは、必ず家の中を見てから出してもらいます。物の量が多い家では、当日になって量が増えたとして追加料金を求められることがあるため、追加料金の条件を書面で確かめてください。業者の選び方は名古屋で遺品整理・片付け業者を選ぶには?で解説しています。
大事な書類は、どう探す?
物があふれた家では、通帳、権利証、保険証券、家を買ったときの契約書などが、物の間に埋もれていることがよくあります。業者にそのまま処分されると、相続の手続きや売るときの税金に影響することがあります。
業者には、探してほしい物の一覧を渡し、紙類や封筒は捨てずに分けておいてもらうよう、作業の前に伝えておきます。探す物の一覧は実家の片付けで必ず取り出す物リストにまとめています。
片付けたあと、家の傷みはどうなっている?
物をすべて運び出すと、床の腐れ、雨漏りの跡、カビ、害虫の被害など、物に隠れていた建物の傷みが見つかることがあります。長い間、窓が開けられず、掃除もできなかった家では、傷みが進んでいることが少なくありません。
片付けのあとに家の状態を確かめ、直して使うか、古家付き土地として売るかを判断します。においが強く残る場合は、専門の清掃が必要になることもあります。
ごみ屋敷になった実家は、売れる?
最後に、売却との関係を確認していきます。
片付けないと、売れない?
必ずしも片付けてから売る必要はありません。家財やごみが残ったままでも引き取る買取の会社もあり、その場合は片付けの費用が買取の価格から差し引かれます。
自分で業者を手配して片付けてから売る場合と、残したまま売る場合では、手間と手取りが変わります。物の量が多い家ほど、片付けの見積もりと買取の価格を並べて比べる価値があります。考え方は家財が残ったまま空き家を売る方法で解説しています。
片付けの費用を、先に払えないときは?
売ることが決まっていれば、片付けの費用を売却代金から払う方法があります。決済の日に業者に払う、手付金を充てるといった方法で、手元にお金がなくても進められます。
兄弟で相続した家なら、片付け費用を売却代金から差し引いてから分けると決めておけば、誰か一人が立て替える必要はありません。詳しくは実家の片付け費用は売却代金から払える?で解説しています。
買主には、何を伝える?
物がたまっていたこと自体を伝える必要はありませんが、片付けのあとに見つかった雨漏り、床の腐れ、害虫の被害など、建物の不具合は買主に伝えます。においが残っている場合も、伝えておくのが安全です。
古い家は、建物の不具合について責任を負わない条件で売ることも多くあります。売ったあとの責任の考え方は古い空き家を売ったあとで不具合が見つかったら?で解説しています。
当社の場合
物があふれた実家の売却のご相談では、片付けの業者の見積もりと、家財を残したまま売る場合の価格を並べて、どちらが手元に多く残るかをお伝えします。片付けてから売る場合は、片付けの費用を決済の日に売却代金から払えるよう、業者との支払いの時期を調整します。片付けのあとに見つかった建物の傷みも、売り方に合わせて買主への伝え方を一緒に整えます。
ごみがあふれた実家を、片付けずに売れるか知りたい方へ
片付けの見積もりと、家財を残したまま売る場合の価格を比べてお伝えします。片付け費用を売却代金から払う段取りもお手伝いします。相談は無料です。
ごみ屋敷になった実家についてよくある質問
親が片付けを嫌がります。どうすればいいですか?
無理に片付けを進めると、親との関係がこじれることがあります。まずは親の困りごとを聞き、名古屋市のいきいき支援センターなど、高齢者の暮らしを支える窓口に相談してください。家族以外の人が関わることで、親が受け入れやすくなることもあります。
近所から苦情が来ています。どうすればいいですか?
まず、苦情の内容を聞き、悪臭や害虫など急ぐものから対応します。空き家であれば、腐るものの処分と害虫の駆除を先に行い、片付けの予定を近所に伝えておくと、話がこじれにくくなります。対応の進め方は空き家の草木でご近所から苦情が来たらも参考にしてください。
片付けには、どのくらいの日数がかかりますか?
物の量と、作業する人数、運び出しやすさで大きく変わります。部屋いっぱいに物がたまった家では、数日かかることもあります。業者に家の中を見てもらい、作業の日数も見積もりと一緒に確かめてください。
害虫やにおいがひどい場合は、どうすればいいですか?
害虫やにおいがひどい場合は、片付けの前後に、害虫の駆除や専門の清掃が必要になることがあります。片付けの業者に、こうした作業にも対応できるかを確かめておきます。作業の前に、家の中に入るときはマスクや手袋を用意し、無理に入らないようにしてください。
遠方に住んでいて、片付けに立ち会えません。
名古屋空き家相談室では、鍵をお預かりして片付け業者の作業に立ち会い、作業前後の写真をお送りしています。立ち会いの代行は1回3,000円です。片付けのあとに家をどうするかのご相談にも、同じ担当者がお応えします。
名古屋のごみ屋敷になった実家は、相談先と売り方を決めることから始めよう
親が住んでいる場合は、片付けを急ぐより、いきいき支援センターや名古屋市のごみ屋敷対策の窓口に相談し、親の暮らしを支える方法を考えます。空き家になった場合は、名古屋市の許可を持つ業者に片付けを頼み、書類や貴重品を探しながら進めます。売る予定なら、家財を残したまま売る方法や、片付け費用を売却代金から払う方法も比べてから決めてください。
名古屋の実家の片付けや売却でお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。