「実家の押し入れの奥から金庫が出てきたが、鍵も番号もわからない」「親の通帳に、銀行の貸金庫の利用料が引き落とされていた」。実家の片付けで金庫や貸金庫が見つかると、中に何が入っているか気になる一方で、勝手に開けてよいのか迷います。中から遺言書や現金が出てくることもあり、開け方を間違えると、兄弟の間で疑いが生まれることもあります。
この記事では、実家で見つかった金庫の開け方と、銀行の貸金庫を開ける手続き、中身の扱い、金庫の処分を解説します。
この記事の結論
金庫を開けるときは、相続人全員が立ち会うか、開ける様子を写真や動画で記録し、中身を一覧にして共有します。鍵や番号がわからない場合は、メーカーに照会するか、鍵の専門業者に開けてもらいます。中から封のされた遺言書が出てきたら、開けずに家庭裁判所で検認を受けます。銀行の貸金庫は、原則として相続人全員の同意がないと開けられないため、銀行に必要な書類を確かめます。中身の現金や貴金属は相続財産になり、相続税の対象にもなります。重い金庫は、ごみとして出せないことが多いため、業者に引き取ってもらいます。
実家の金庫は、どう開ける?
最初に、実家で見つかった金庫を開けるときの進め方を確認していきます。
開ける前に、何をする?
金庫の中身は、相続人全員の財産になる可能性があります。一人で開けて中身を持ち出すと、ほかの相続人から疑われることがあります。開ける日を決めて相続人全員に知らせ、立ち会えない人には、開ける様子を動画で撮って共有します。中から出てきた物は、その場で写真を撮って一覧にします。
鍵や番号がわからないときは?
まず、親の手帳や机の引き出し、仏壇のまわりなどに、鍵や番号のメモがないかを探します。見つからない場合は、金庫の型番からメーカーに問い合わせると、相続人であることを示す書類を出すことで、番号や鍵の作り直しに応じてもらえることがあります。急ぐ場合は、鍵の専門業者に開けてもらいます。耐火金庫などは、開けるのに時間や費用がかかることがあります。
中から遺言書が出てきたら?
封のされた手書きの遺言書が見つかった場合は、開けずに、家庭裁判所に検認を申し立てます。家庭裁判所の外で勝手に開けると、過料を科されることがあります。検認は、遺言書の状態を相続人に確かめてもらう手続きで、遺言が有効かどうかを決めるものではありません。公正証書の遺言や、法務局に預けられていた遺言は、検認はいりません。遺言による手続きは遺言で実家を受け継いだらで解説しています。
権利証が入っていたら?
金庫には、実家の権利証(登記済証)や、保険の証券、通帳などが入っていることがよくあります。権利証は、実家を売るときに使うことがあるため、大切に保管します。見つからない場合の売り方は実家の権利証が見つからないときの売り方で解説しています。
銀行の貸金庫は、どう開ける?
親が借りていた銀行の貸金庫を開けるときの手続きを確認していきます。
貸金庫があるかは、どうわかる?
親の通帳に、貸金庫の利用料の引き落としがあるか、銀行の名前が入った鍵や、貸金庫のカードが見つかるかで確かめます。銀行からの通知が郵便で届くこともあります。心当たりのある銀行に、相続人として問い合わせる方法もあります。
開けるには、何が必要?
銀行は、親が亡くなったことを知ると、貸金庫を開けられないようにします。開けるには、原則として相続人全員の同意が必要で、相続人全員が立ち会うか、代表者が全員の同意書と印鑑証明書を持って行く形が多くあります。親の死亡と相続人がわかる戸籍、貸金庫の鍵なども求められます。必要な書類は銀行によって違うため、前もって確かめます。
遺言書を探すために開けたいときは?
貸金庫に遺言書が入っているかもしれない場合は、遺言書を探すためだけに開けられないか、銀行に相談します。銀行によっては、相続人の一人が申し出て、中身を確かめる手続きに応じることがあります。中身を記録に残すため、公証人に立ち会ってもらう方法もあります。
中身を取り出したあとは?
中身を取り出したら、一覧にして相続人全員に共有し、遺産分割の話し合いで扱います。貸金庫は解約し、利用料の引き落としを止めます。親の口座が止まって利用料が払えないままにならないよう、早めに手続きします。
当社の場合
遠方の方が実家の片付けや、金庫の解錠を業者に頼む場合は、作業の立ち会いを1回3,000円でお受けし、開けたときの様子や出てきた物を写真でお伝えします。
中身と金庫の扱いは?
金庫や貸金庫から出てきた物の扱いと、金庫そのものの処分を確認していきます。
中身は、誰のもの?
金庫や貸金庫の中の現金、貴金属、株券などは、親の相続財産です。遺産分割がまとまるまでは、相続人全員のものとして扱い、誰かが持ち帰らないようにします。相続放棄を考えている人が中身を持ち帰ると、相続を認めたとみなされるおそれがあります。考え方は相続放棄すれば空き家の管理はしなくていい?で解説しています。
金庫の外からも、現金が出てきたら?
片付けの途中で、たんすの引き出しや押し入れ、本の間などから現金が見つかることもあります。金庫の中身と同じく、見つけた場所と金額を記録し、相続人全員に知らせます。見つけた人が預かる場合も、すぐに一覧に書き込み、遺産分割で分けます。
相続税の申告に、入れる?
金庫の中の現金や貴金属も、相続税の申告が必要な場合は、財産に含めて申告します。申告から漏れると、あとで税務署から指摘されることがあります。相続税の考え方は実家に相続税はかかる?で解説しています。
重い金庫は、どう処分する?
家庭用の金庫でも、耐火金庫は数十キロから百キロを超えるものがあり、ごみとして出せないことが多くあります。金庫のメーカーや販売店、金庫の処分を扱う業者、片付け業者に引き取ってもらいます。2階に置かれている場合は、運び出しの費用もかかります。業者の選び方は名古屋で遺品整理・片付け業者を選ぶには?で解説しています。
当社の場合
片付けの途中でも、実家の売却のご相談をお受けしています。金庫などの重い物が残ったままでも売れる方法や、片付けの期限と売り出しの時期の合わせ方をご提案します。買取のご相談もお受けしています。
金庫や貸金庫についてよくある質問
実家で見つかった金庫や貸金庫について、よく聞かれる質問をまとめました。
金庫が空だったら、どうしますか?
空だった場合も、開けたときの様子を記録に残し、相続人に知らせます。あとで中身があったのではと疑われるのを防げます。
兄弟の一人が、先に金庫を開けていました。
開けた人に、中に何があったかを一覧にして示してもらいます。話がかみ合わない場合は、遺産分割の話し合いの中で扱い、まとまらなければ家庭裁判所の調停を使います。兄弟で揉めない進め方は相続した空き家を兄弟で揉めずに決める方法で解説しています。
片付け業者に、金庫の中身ごと任せてもいいですか?
中身を確かめないまま任せると、大切な書類や現金がなくなるおそれがあります。金庫は開けて中身を取り出してから、業者に引き取ってもらいます。取り出す物は実家の片付けで必ず取り出す物リストで解説しています。
貸金庫の鍵が見つかりません。
鍵がない場合も、銀行に相続の手続きを申し出れば、鍵を作り直したり、銀行の立ち会いで開けたりする方法があります。費用がかかることがあるため、銀行に確かめます。
親のスマホにも、大事な情報がありそうです。
金庫の番号や貸金庫の情報が、スマホのメモに残っていることもあります。スマホの扱いは親のスマホやパソコンはどうする?で解説しています。
開かない金庫や貸金庫は、相続人全員が見られる形で開けることから始めよう
実家で見つかった金庫は、相続人全員が立ち会うか、開ける様子を記録して開け、中身を一覧にして共有します。封のされた遺言書が出てきたら、開けずに家庭裁判所で検認を受けてください。銀行の貸金庫は、相続人全員の同意など銀行が求める書類をそろえて開けます。中身は相続財産として遺産分割と相続税の申告で扱い、重い金庫は業者に引き取ってもらいます。
名古屋の実家の片付けや売却でお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。