この記事の結論
実家が車で30分以内など近くにあり、月1回通えるなら、空き家管理は自分でできます。大事なのは「月1回を何年も続けること」と「見落としやすい所を毎回見ること」です。自分でやる人が見落としやすいのは、屋根と雨どい、床下の換気口、外壁のひび、シロアリの跡、給湯器や水まわりの劣化です。草刈りや高い所の剪定、ハチの巣は、無理をせず業者に任せてください。忙しくなった、体力的にきつい、苦情が来た、売るか貸すかを考え始めた。そんなときが、業者に切り替える、あるいは一部だけ頼むタイミングです。
「実家は車で20分。自分で見に行けるから、管理を頼むほどではない」。名古屋市内や近くの市にお住まいの方からは、こうしたお話をよく伺います。それは正しい判断で、近くに住んでいるなら、まず自分でやってみるのが一番安く済みます。この記事では、自分でやる場合に何をすればいいか、どこでつまずきやすいかを、空き家管理をしている立場からお伝えします。
自分でやる場合の毎月のチェックリスト
月1回、晴れた日に1〜2時間を目安に、次の順番で回ると効率よくできます。
外まわり(30分程度)
- ポストのチラシと郵便物を回収する
- 敷地のごみ、飛んできた物、不法投棄がないか見る
- 草の伸び具合、庭木が隣地や道路に出ていないかを見る
- 玄関・勝手口・窓・雨戸の施錠と、こじ開けた跡がないかを見る
- 屋根瓦のずれ、外壁のひびや剥がれ、雨どいの外れや詰まりを、地上から見上げて確認する
- 床下の換気口がふさがっていないか、まわりに物を置いていないかを見る
- ブロック塀や門扉の傾きを見る
室内(30分〜1時間)
- 全部の窓と、押入れ・収納の扉を開けて、30分〜1時間換気する(空き家の換気はどのくらいの頻度が必要?)
- 全部の蛇口を数分開けて、排水口とトイレに水をためる
- 天井や壁のしみ、カビ、床のきしみ・沈みがないかを見る
- 虫やネズミのふん、シロアリの羽がないかを見る
- 冷蔵庫・給湯器・ブレーカーの状態を確認する
- 帰る前に窓と扉を閉め、施錠を確認する
記録
- 同じ場所を毎回同じ角度で写真に撮る(屋根、外壁、庭、各部屋、天井)
- 前回と比べて変わった所をメモしておく
写真の記録は、兄弟と家の状態を共有するときにも、売るときに買主へ状態を説明するときにも役立ちます。
自分でやる人が見落としやすい所
| 場所 | 見落とすと | 確認のしかた |
|---|---|---|
| 屋根・雨どい | 瓦のずれや雨どいの詰まりから雨漏りが始まり、気づいたときには天井裏や柱まで傷んでいる | 地上から見上げる。双眼鏡やスマホのズームが便利。屋根には上らない |
| 床下の換気口 | 物置や植木でふさがれ、床下に湿気がこもって土台が傷む・シロアリが来る | 外まわりを一周して、換気口の前に物がないか見る |
| 外壁のひび | ひびから水が入り、壁の中が傷む | 同じ場所を毎回写真に撮り、ひびが伸びていないか比べる |
| シロアリの跡 | 土台や柱が食われ、家の強度が落ちる | 基礎の立ち上がりに土の筋(蟻道)がないか、春先に羽アリが出ていないか |
| 排水口の水 | 1〜2か月で乾き、下水の臭いと虫が上がる | 毎回すべての排水口とトイレに水を流す |
| 給湯器・水まわり | 冬の凍結で配管が割れる、パッキンの劣化で水漏れ | 冬の前に給湯器の水抜き。蛇口の根元や流しの下の水漏れを見る |
当社の場合
当社の巡回でも、いちばん気を配っているのは屋根と雨どい、床下の換気口、外壁のひびです。住んでいる家なら雨漏りにすぐ気づきますが、空き家では天井にしみが出たときにはかなり進んでいます。ご自身で管理されている方から「念のため一度プロの目で見てほしい」というご依頼もお受けしています。初回の現地確認は無料なので、自分の管理で見落としがないかの点検として使っていただいても構いません。
かかる時間と費用
- 時間:移動を含めて月に半日。草刈りの時期はさらに半日〜1日。
- 交通費:車のガソリン代や駐車場代。公共交通なら運賃。
- 消耗品:除湿剤、ごみ袋、軍手、掃除用品、電球など。
- 道具:草刈り機、剪定ばさみ、脚立。持っていなければ購入費と保管場所が要ります。
- 光熱費:通水・換気扇のための水道・電気の基本料金(空き家の電気・水道は解約していい?)。
お金で見ると自分でやるのが一番安いのは確かです。ただ、月に半日を何年も続けられるか、が本当の分かれ目です。
無理をしない方がいい作業
- 屋根に上る・高い脚立での剪定:転落事故の危険があります。高い所は業者に。
- ハチの巣の駆除:刺されると重症になることがあります。専門業者に。
- 真夏の草刈り:空き家は日陰が少なく、一人での作業は熱中症の危険があります。朝夕の涼しい時間に、できれば二人で。
- 重い家具・家電の移動:けがのもとです。
- カビの多い部屋の掃除:マスクなしでの作業は避けてください(空き家のカビ対策)。
自分の管理と業者を組み合わせる
全部を自分でやるか、全部を業者に頼むか、の二択ではありません。次のような組み合わせ方もあります。
| 組み合わせ方 | 向いている人 |
|---|---|
| 毎月の巡回は自分で、草刈り・剪定だけ業者に | 近くに住んでいて時間はあるが、体力的に外作業がきつい |
| 外まわりは業者に、室内は自分がたまに | 月1回は難しいが、2〜3か月に1回なら行ける |
| 普段は自分で、梅雨〜夏と冬の前だけ業者に点検を | 湿気と凍結の季節だけプロに見てほしい |
| 全部業者に | 忙しい、遠い、体力的に難しい、売るか貸すかを考え始めた |
自分で管理しているけれど、見落としがないか不安な方へ
一度当社が現地を見て、屋根・雨どい・床下・外壁など見落としやすい所の状態をお伝えします。草刈りだけ、点検だけのご依頼も歓迎です。現地確認は無料です。
業者に切り替えた方がいいタイミング
- 仕事や親の介護で忙しくなり、月1回通えなくなった
- 年齢や体調で、草刈りや掃除がきつくなった
- 転勤や引っ越しで、実家から遠くなった
- ご近所や区役所から草木や管理について連絡が来た(空き家の草木でご近所から苦情が来たら)
- 雨漏りやカビなど、自分では原因が分からない傷みが出てきた
- 売るか貸すかを考え始めた
最後の「売るか貸すかを考え始めた」は、意外と大事です。不動産会社に管理を頼んでおくと、家の状態を毎月見ている担当者に、そのまま売る・貸すの相談ができます。
まとめ:相談すると何が分かるか
近くに住んでいるなら、空き家管理は自分でできます。月1回を続けること、屋根・雨どい・床下・外壁など見落としやすい所を毎回見ること、危ない作業は無理をしないこと。全部を自分でやらなくても、草刈りだけ、点検だけを業者に頼む組み合わせもあります。
名古屋空き家相談室にご相談いただくと、次のことが分かります。
- 自分の管理で見落としている所がないか(プロの目での点検)
- 草刈り・剪定など、一部の作業だけを頼む場合の費用
- 自分で続けるのが難しくなったときの管理の頼み方(空き家管理の内容と料金)
- 管理の先に、売る・貸すをどう考えるか
初回の現地確認と相談は無料です。自分で管理されている方の「念のための点検」としても、お気軽にご連絡ください。