「実家を売ろうとしたら、土地の一部が都市計画道路にかかっていると言われた」「道路になる予定だと聞いているが、何十年も工事が始まらない」。名古屋市では、昔に計画された道路の予定地が、今も住宅地の中に残っていることがあります。都市計画道路にかかる土地は、建てられる建物に制限があるため、売るときには買主にとっての使い方や価格に影響します。
この記事では、名古屋市で実家の土地が都市計画道路にかかっているときの確かめ方、建物の制限、売り方と税金の考え方を解説します。
この記事の結論
都市計画道路の予定地に建物を建てるには名古屋市長の許可が必要で、原則として2階建てまで、地下なし、木造や鉄骨造など、移したり壊したりしやすい建物に限られます。整備を優先する路線でない区域では、特例で3階建てが認められることがあります。実家がかかっているかは、名古屋市の街路計画課で確かめ、街路証明も取れます。工事の予定が決まっていない段階では、制限を買主に伝えたうえで普通に売れます。事業が始まり市に土地を買い取ってもらう場合は、税金の特例が使えることがあります。
都市計画道路とは?実家にどう影響する?
最初に、都市計画道路の予定地にかかる土地の制限を確認していきます。
都市計画道路とは?
都市計画道路は、まちづくりの計画として、将来作ったり広げたりすることが決められている道路です。計画が決まってから工事が始まるまでに何十年もかかることがあり、その間も予定地の土地は今の持ち主のものとして使えます。ただし、将来の工事の妨げにならないよう、建てられる建物に制限がかかります。
建てられる建物の制限は?
名古屋市で都市計画道路の予定地に建物を建てる場合は、名古屋市長の許可が必要です。許可されるのは、原則として、2階建て以下で地下がなく、木造や鉄骨造、コンクリートブロック造など、移したり壊したりしやすい建物です。名古屋市では、許可の範囲を判断するときに、道路の予定地の外側に1メートルの余裕を加えた範囲で考えます。
3階建てが建てられる場合は?
名古屋市では、整備を優先する路線に選ばれていない都市計画道路の区域などで、特例として3階建ての建物が認められることがあります。この特例を使えるかどうかは路線と場所で決まるため、あらかじめ街路計画課で確かめます。買主が3階建てを考えているかで、土地の使いやすさが変わります。
工事が始まると、どうなる?
道路の工事が事業として決まると、予定地の建物の制限はさらに厳しくなり、市などが土地を買い取る話が進みます。土地や建物は、公共の事業のために買い取られ、建物の移転などの補償も受けられます。工事が決まっているかどうかで、売り方の考え方が大きく変わります。
実家がかかっているかは、どう確かめる?
実家の土地が都市計画道路にかかっているかどうかの確かめ方を見ていきます。
名古屋市の窓口で確かめる
名古屋市では、住宅都市局の街路計画課で、土地が都市計画道路にかかっているかを確かめられます。申請すれば、都市計画道路にかかるかどうかを証明する街路証明を、1件300円で出してもらえます。現地に杭を打って、道路の予定地の線を示してもらう申請もあります。どのくらいの面積がかかるかで、残る土地の使い方が変わるため、線の位置まで確かめておきます。
計画は、今も残っている?
名古屋市は、長い間工事が始まっていない都市計画道路の見直しを進めてきました。見直しで計画が廃止されたり、道路の幅が変わったりした路線もあります。親が昔聞いた話のままにせず、今の計画を窓口で確かめます。
工事の予定は、わかる?
整備を優先する路線に選ばれているか、事業として決まっているかも、街路計画課で確かめます。何十年も先まで工事の予定がない路線もあれば、数年のうちに工事が始まる路線もあります。工事が近い場合は、市に買い取ってもらうまで待つか、今売るかを比べます。
当社の場合
都市計画道路にかかる実家のご相談では、名古屋市の窓口でかかる範囲と工事の予定を確かめ、残る土地にどんな建物が建てられるかを踏まえて、売れる価格の見込みをお伝えします。
売るときの進め方は?
都市計画道路にかかる実家を売るときの、伝え方と価格、税金の考え方を確認していきます。
買主には、何を伝える?
都市計画道路にかかっていることと、建てられる建物の制限は、重要事項説明で買主に必ず伝えます。かかる面積、3階建ての特例が使えるか、工事の予定がどうなっているかもあわせて伝えると、買主が使い方を判断しやすくなります。契約書で確かめる点は実家の売買契約書で確かめておきたい点で解説しています。
価格は、どのくらい変わる?
予定地にかかる面積が大きいほど、建てられる建物が限られ、価格は下がりやすくなります。一方、かかるのが土地の端の少しだけなら、影響が小さいこともあります。工事が近い路線では、将来市に買い取ってもらえることを見込む買主もいます。近くの売れた例と制限の内容をあわせて査定してもらいます。査定の受け方は名古屋の空き家の査定はどう決まる?で解説しています。
市に買い取ってもらうときの税金は?
道路の事業のために市などに土地を買い取ってもらう場合は、条件を満たせば、売った利益から最大5,000万円を差し引ける特例が使えることがあります。この特例は、事業として買い取られる場合が対象で、一般の買主に売る場合は使えません。相続した空き家の3,000万円控除とは、同じ年に重ねて使えない場合があるため、税務署や税理士に確かめます。税金の全体は名古屋の空き家を売ると税金はいくら?で解説しています。
相続税の評価は、下がる?
相続税の計算では、都市計画道路の予定地にかかる宅地は、かかる割合などに応じて評価を下げられます。親から実家を相続したときに、この減額が使われているかを、相続税の申告をした場合は申告書で確かめておきます。相続税の考え方は実家に相続税はかかる?で解説しています。
当社の場合
都市計画道路にかかる実家の売却では、制限の内容を重要事項説明書にまとめ、買主の方にご説明します。売れるまでの間は、外まわりの見回りを月4,000円(税別)からお受けしています。早く手放したい場合は、買取のご相談もお受けしています。
都市計画道路にかかる実家についてよくある質問
都市計画道路にかかる実家の売却について、よく聞かれる質問をまとめました。
工事が始まるまで、待った方がいいですか?
工事の予定が決まっていない路線では、いつ買い取られるかわからないため、待っている間の固定資産税や管理の手間がかかります。工事が数年のうちに始まる予定なら、待って市に買い取ってもらう方が有利なこともあります。工事の予定を確かめたうえで比べます。
今の家は、そのまま住んだり貸したりできますか?
工事が始まるまでは、今の家にそのまま住んだり、人に貸したりできます。建て替えや大きな増築をするときに、制限がかかります。
家を壊して更地で売った方がいいですか?
建てられる建物の制限は、更地にしても変わりません。買主が今の家を使うか、制限の中で建て替えるかによって判断が変わるため、解体の費用と比べて決めます。比べ方は空き家は解体してから売る?そのまま売る?で解説しています。
市に今すぐ買い取ってもらえますか?
工事が決まっていない段階で、市に買い取りを求められる場合は限られます。建物の許可が受けられないなど、一定の場合には市に買い取りを申し出る制度がありますが、使えるかは窓口で確かめます。
道路にかからない残りの土地は、使えますか?
残りの土地には、通常のルールで建物を建てられます。ただし、道路ができたあとに土地の形や面積が使いにくくならないか、前の道路との関係も確かめておきます。道路の扱いは再建築不可の空き家を売るには?で解説しています。
都市計画道路にかかる実家は、名古屋市の窓口で範囲と予定を確かめることから始めよう
都市計画道路の予定地では、建物は原則2階建てまでなどの制限がかかり、名古屋市では路線によって3階建ての特例があります。かかる範囲と工事の予定は、名古屋市の街路計画課で確かめ、街路証明も取れます。工事の予定がなければ制限を伝えて普通に売れ、工事で市に買い取ってもらう場合は税金の特例が使えることがあります。今売るか待つかを比べて決めてください。
名古屋で都市計画道路にかかる実家の売却でお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。