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活用か解体か売却か

実家を売る前に建物状況調査(インスペクション)は受けるべき?

「不動産会社から、建物状況調査はどうしますかと聞かれた」「築40年の実家に、わざわざ調査をする意味があるのか」。実家を売るときに、建物状況調査(インスペクション)という言葉を初めて聞く方は少なくありません。受けるかどうかは売主が決められますが、売り方によって向き不向きがあります。

この記事では、建物状況調査の中身と費用、受けた方がいい実家とそうでない実家、受ける前と受けたあとに気をつけることを解説します。

この記事の結論

建物状況調査は、国の講習を修了した建築士が、柱や基礎など建物を支える部分と、屋根や外壁など雨水の入りを防ぐ部分の劣化を目で見て調べるものです。受けるのは義務ではありません。実家を中古住宅として、住みたい人に売るなら、建物の状態を示せるため受ける意味があります。一方、古家付き土地として建物を解体する前提で売るなら、受けないことが一般的です。結果が重要事項説明で買主に伝えられるのは調査から1年以内のものなので、売り出しの時期に合わせて受けます。

建物状況調査とは、どんな調査?

最初に、調査で何がわかるのか、誰が調べるのかを確認していきます。

何を調べるの?

土台や柱、基礎、壁など建物を支える部分と、屋根や外壁、窓まわりなど雨水が入るのを防ぐ部分に、ひび割れや雨漏りの跡、傾きなどの劣化がないかを調べます。床下や屋根裏をのぞいたり、水平器で床の傾きを測ったりする、目で見て確かめる調査が基本です。壁をはがすなど、建物を壊して調べることはしません。

所要時間は家の広さによりますが、3時間程度が目安です。結果は、部位ごとに劣化の有無をまとめた報告書で受け取ります。

誰が調べるの?

国に登録された講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が調べます。講習を修了していない建築士や、ほかの検査会社が行った調査は、不動産の取引で説明する建物状況調査には当たりません。調査を頼む先は、国土交通省が案内している既存住宅状況調査技術者の検索サイトで探せます。

費用はどのくらい?

費用に全国共通の基準はなく、調査会社ごとに異なります。戸建ての目で見る調査で数万円程度が多く、床下や屋根裏にもぐって調べる追加の調査や、設備の点検を加えると上がります。費用は、調査を頼んだ人が払うのが一般的です。売主が頼めば売主の負担になるので、事前に見積もりを取って比べます。

不動産会社から、調査について聞かれるのはなぜ?

宅地建物取引業法で、不動産会社は売却を任される媒介契約のときに、建物状況調査をする人をあっせんするかどうかを契約書に書くことになっています。調査をした場合は、その結果の概要を、契約の前に買主へ重要事項として説明します。そのため、売り出しの前に、調査をするかどうかを聞かれます。

受けた方がいいのは、どんな実家?

調査を受けるかどうかは、実家をどう売るかで考えます。

中古住宅として、住む人に売るなら?

実家をそのまま、または手を入れて住みたい人に売るなら、調査を受ける意味があります。古い家は、買主が「見えないところに傷みがないか」を気にして、購入をためらったり、値下げを求めたりしやすいためです。調査の結果を示せば、買主は建物の状態を知ったうえで判断でき、売ったあとに不具合が見つかって争いになるのも防ぎやすくなります。

売ったあとの責任の考え方は古い空き家を売ったあとで不具合が見つかったら?で解説しています。

古家付き土地として売るなら?

建物の価値をほとんど見込まず、買主が解体して建て替える前提の古家付き土地として売るなら、調査を受けないのが一般的です。建物の状態が価格にあまり影響せず、建物の不具合について売主が責任を負わない条件で売ることも多いためです。古家付き土地の売り方は古家付き土地として売るとは?で解説しています。

既存住宅売買瑕疵保険とは?

既存住宅売買瑕疵保険は、売ったあとに雨漏りや構造の不具合が見つかったとき、補修の費用などが保険から支払われる仕組みです。個人が売主の場合、検査会社が検査をして保険をつけます。保険期間は5年、2年、1年から選びます。

加入するには、検査で劣化がないこと、劣化があれば補修してから再び検査を受けることが条件です。買主にとっては、買ったあとの不安が小さくなり、売主にとっては売りやすさにつながります。

旧耐震の実家の場合は?

既存住宅売買瑕疵保険に入れるのは、原則として1981年6月1日以降に建築確認を受けた、新しい耐震基準の家です。それより前の旧耐震の家は、耐震基準を満たしていることの証明書をそろえれば加入できますが、耐震補強が必要になることが多く、費用と時間がかかります。

また、1981年以前に建てられた家を買主が住宅ローン控除を使って買うには、耐震基準を満たしている証明が求められます。旧耐震の家の売り方は旧耐震の空き家は売れる?で解説しています。

当社の場合

建物状況調査を受けるかどうかは、建てた年や傷みの具合、近くで実際に売れた家の条件から、中古住宅として売るか古家付き土地として売るかを決めたうえで、一緒に考えます。調査の費用をかけても価格や売りやすさに見合わないと考えられる場合は、その理由もお伝えします。

実家に調査が必要か迷っている方へ

建てた年と建物の状態から、中古住宅として売るか古家付き土地として売るかを整理し、調査が必要かをお伝えします。相談は無料です。

受ける前と受けたあとに、気をつけることは?

調査を受けると決めたら、時期と準備、結果の扱いを確認していきます。

いつ受けるのがいい?

重要事項説明で買主に伝える調査の結果は、調査をしてから1年以内のものです。鉄筋コンクリート造のマンションなどは、2024年4月から2年以内に延びました。売れるまでに時間がかかると期限を過ぎることがあるため、売り出しの直前か、売り出しと同時に受けるのが向いています。

空き家の場合、どんな準備がいる?

床下点検口や屋根裏の点検口の前に家財があると、調べられない箇所が出ます。点検口の位置を確かめ、まわりの荷物をどかしておきます。電気を止めていると室内が暗く、水道を止めていると水まわりが確かめにくくなるため、調査の日までに使えるようにしておきます。

電気や水道の再開の手続きは空き家の電気・水道は解約していい?で解説しています。

劣化が見つかったら、直してから売る?

調査で劣化が見つかっても、必ず直す必要はありません。結果は重要事項説明で買主に伝わるため、直してから売るか、直さずに状態を伝え、その分を価格に反映させて売るかを選びます。雨漏りのように、放っておくと傷みが広がる劣化は、直すか、少なくとも応急の処置をしておくと、買主が判断しやすくなります。

雨漏りの扱いは空き家の雨漏りを放置するとどうなる?で解説しています。

買主から、調査をしたいと言われたら?

買主が自分の費用で調査をしたいと申し出ることもあります。調査には売主の同意が必要で、空き家なら鍵を開けて立ち会う人も要ります。断るのも売主の自由ですが、断ると買主が不安を感じて購入を見送ることがあるため、日程を調整して受け入れる方が話は進みやすくなります。

当社の場合

遠方にお住まいで調査の日に名古屋へ来られない方には、鍵をお預かりして、調査の立ち会いを1回3,000円で代行します。調査の結果に劣化の記載があった場合は、直してから売る場合と、そのまま売る場合の手取りを並べてお伝えします。

遠方から実家の調査や売却を進めたい方へ

調査の立ち会いから売り出しまで、電話と郵送で進められます。現地確認は無料です。

建物状況調査についてよくある質問

実家を売る前の建物状況調査について、よく聞かれる質問をまとめました。

調査を受けないと、実家は売れませんか?

いいえ、建物状況調査は義務ではなく、受けなくても売れます。不動産会社には調査について売主に聞く決まりがありますが、受けるかどうかは売主が決めます。古家付き土地として売る場合は、受けずに売ることが多くあります。

調査で問題がなければ、欠陥がないと保証されますか?

いいえ、建物状況調査は目で見て確かめられる範囲の劣化を調べるもので、欠陥がないことを保証するものではありません。壁の中や見えない配管などは対象外です。売ったあとの不具合に備えるなら、既存住宅売買瑕疵保険を組み合わせる方法があります。

悪い結果が出たら、買主に伝えなくてもいいですか?

いいえ、調査から1年以内の結果は、重要事項説明で買主に伝えられます。また、売主が知っている不具合を伝えずに売ると、売ったあとで責任を問われることがあります。結果は隠さずに伝え、価格や条件に反映させて売ります。

マンションの実家でも受けられますか?

はい、マンションの部屋も調査を受けられます。部屋の中のほか、共用部分の外壁や廊下なども調べる対象になります。鉄筋コンクリート造のマンションなら、結果は調査から2年以内まで重要事項説明で使えます。マンションの空き家の扱いはマンションが空き家になったら?で解説しています。

調査の費用は、売るときの経費になりますか?

売るために売主が支払った調査の費用は、譲渡所得を計算するときの譲渡費用に含められると考えられますが、扱いは状況によって異なるため、確定申告の前に税務署で確かめます。売るときの費用の全体は空き家を売るときにかかる費用の一覧で解説しています。

建物状況調査は、実家の売り方を決めることから始めよう

建物状況調査は義務ではなく、受けるかどうかは売主が決めます。中古住宅として住みたい人に売るなら、建物の状態を示せるため受ける意味があり、既存住宅売買瑕疵保険と組み合わせる方法もあります。古家付き土地として売るなら、受けないことが一般的です。受ける場合は、結果が使える1年以内に売り出せるよう時期を決め、点検口のまわりを片付けて、電気や水道を使えるようにしておいてください。

名古屋の実家の売り方や建物状況調査でお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。

この悩み、まず現地を見てお伝えできます

初回の現地確認と相談は無料です。管理を頼むかどうかは、見てから決めてください。

akiya-ibuki

伊吹株式会社(不動産のイブキ)代表取締役。宅地建物取引士。国土交通大臣(1)第10691号。名古屋市西区を本店に、空き家の管理・活用・解体・売却の相談を受けています。

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