「誰も住んでいないのに、実家の水道代がいつもより高い」「久しぶりに帰ったら、台所の床が水浸しになっていた」と驚く方は少なくありません。空き家の水漏れは、気づくまでに時間がかかるため、床や壁の傷み、カビやシロアリ、高額な水道料金につながりやすいトラブルです。
この記事では、空き家で水漏れが起きやすい理由、見つけたときの止水と修理の頼み方、名古屋市の上下水道料金の減額と火災保険の扱い、水漏れを防ぐための管理の方法を解説します。
この記事の結論
空き家で水漏れを見つけたら、まず水道メーターのそばにある止水栓を閉めて水を止め、名古屋市の指定水道工事業者に修理を頼みます。敷地の中の水道管は持ち主の管理のため、修理費と漏れた水の料金は原則として持ち主の負担ですが、市の指定業者が修理した場合などは、漏れた水の一部について料金が減額されることがあります。家の中が濡れた被害は、火災保険に水濡れの補償がついていれば対象になることがあります。空き家では、帰るたびに止水栓を閉めておくと、水漏れの被害を小さく抑えられます。
空き家で水漏れが起きやすいのは、なぜ?
最初に、空き家で水漏れが起きやすい理由を確認していきましょう。
使っていない水道管でも、漏れる?
はい、使っていなくても漏れることがあります。水道は、蛇口を閉めていても、止水栓を開けている限り、管の中には常に水圧がかかっています。古くなった管の継ぎ目やパッキンが傷むと、そこから少しずつ水が漏れ出します。
人が住んでいれば、床の濡れや水の音で早く気づけますが、空き家では誰も気づかないまま、何週間、何か月と漏れ続けることがあります。
冬の凍結で、水道管が破裂することはある?
名古屋は冬の寒さが比較的穏やかですが、強い寒波の日には、屋外に出ている水道管や、北側の日の当たらない場所の管が凍ることがあります。凍った水が膨らんで管や蛇口を傷め、気温が上がって氷が解けたときに水が噴き出すことがあります。
人が住んでいる家なら夜のうちに少し水を出しておくといった対策ができますが、空き家ではそれができません。冬の間は止水栓を閉め、管の中の水を抜いておくと、凍結による破損を防ぎやすくなります。
水漏れを放っておくと、どうなる?
床下や壁の中で水漏れが続くと、木材が腐り、カビが広がり、シロアリが集まりやすくなります。家の傷みが進み、売るときの価格にも影響します。
また、水道料金は使った量で決まるため、漏れた水の分も請求されます。空き家の水道代が急に増えた場合は、水漏れを疑ってください。シロアリとの関係は空き家のシロアリ被害で解説しています。
水漏れに気づくには?
遠方に住んでいても、水漏れに早く気づく方法があります。
水道メーターで、確かめられる?
はい、家中の蛇口を閉めた状態で、水道メーターのパイロットと呼ばれる小さな印が回っていれば、どこかで水が漏れています。メーターは、敷地の地面にあるメーターボックスの中にあることが多くあります。
空き家に帰ったときは、水を使う前にまずメーターを見て、止まっているかを確かめる習慣をつけておくと、水漏れを早く見つけられます。
水道料金の明細で、気づける?
名古屋市の上下水道料金は2か月ごとに請求されるため、明細で使用量を確かめると、水漏れの手がかりになります。誰も住んでいないのに使用量が増えている場合は、水漏れを疑います。
口座からの引き落としだけで明細を見ていないと気づきにくいため、空き家になったあとは、検針票や利用明細を確認するようにしてください。
家の中で見るべき場所は?
家の中では、台所や洗面所の流しの下、トイレのタンクのまわり、給湯器のまわり、浴室の床や壁の継ぎ目を見ます。床が濡れている、カビのにおいがする、床が沈むといった変化がサインです。
外では、メーターボックスの中や、敷地の地面が雨でもないのに湿っていないかを確かめます。
水漏れを見つけたら、どうする?
水漏れを見つけたときの順番を確認していきます。
まず、何をすればいい?
まず、水道メーターのそばにある止水栓を閉めて、家全体の水を止めます。止水栓はメーターボックスの中にあり、ハンドルやつまみを時計回りに回すと閉まります。
水が電気の配線やコンセントにかかっている場合は、ブレーカーも落としておきます。濡れた場所の写真を撮っておくと、修理や保険の手続きで役立ちます。
修理は、誰に頼む?
修理は、名古屋市の指定水道工事業者に頼みます。市の指定業者が修理した場合は、上下水道料金の減額を受けるための書類を出してもらえます。
メーターより道路側の水道管の漏れであれば、上下水道局の管理になるため、局に連絡します。どちら側の漏れかわからない場合は、上下水道局のお客さま受付センターに相談すると、確かめ方を案内してもらえます。
漏れた水の料金は、払わないといけない?
敷地の中の水道管は持ち主の管理のため、修理費と漏れた水の料金は、原則として持ち主の負担です。ただし、名古屋市では、漏れた場所や状況によっては、使用量から漏れたと思われる水量の一部を差し引いて料金を計算する減額が認められることがあります。
減額を受けられるのは、上下水道局か市の指定水道工事業者が修理した場合に限られ、修理が済んだことを示す書類が必要です。トイレでの水漏れは対象になりません。長く漏れていた場合でも、その期間の使用量のすべてを差し引けるわけではないため、早く修理することが大切です。
当社の場合
当社の室内の管理では、巡回のたびに全ての蛇口から水を流す通水を行い、水まわりに漏れがないかを確かめています。止水栓を閉めておくかどうかは、ご希望に合わせて決めます。水漏れが見つかった場合は、すぐに止水栓を閉め、写真をお送りしたうえで、名古屋市の指定水道工事業者への修理の手配をご相談いただけます。料金の減額や保険の手続きに必要な写真と書類もそろえます。
火災保険で、水漏れの被害は直せる?
水漏れの被害を保険でまかなえるかどうかを確認していきます。
どんな被害が、保険の対象になる?
火災保険に水濡れの補償がついていれば、水道管の事故による水漏れで、床や壁、家財が濡れた被害が対象になることがあります。たとえば、水道管が破裂して床が水浸しになり、床の張り替えが必要になった場合です。
一方、漏れた水道管そのものの修理費は、補償の対象外とされていることが多くあります。凍結による管の破損を補償する特約がついている契約もあるため、契約の内容を確認してください。
空き家だと、保険が使えないことはある?
空き家になったことを保険会社に伝えていないと、事故のときに保険金が支払われないおそれがあります。また、空き家は住宅用ではなく一般物件の扱いになり、水濡れの補償が契約に含まれていないこともあります。
親が契約していた保険をそのままにしている場合は、名義と、空き家になったことの連絡、水濡れの補償の有無を確かめてください。空き家の保険の扱いは空き家の火災保険に入れないと言われたらで解説しています。
マンションの空き家で、下の階に水が漏れたら?
マンションの空き家で水漏れが起きると、下の階の部屋に被害が出ることがあります。自分の部屋の中の配管からの漏れであれば、下の階への賠償は持ち主の責任になることが多く、個人賠償責任保険などで備えておく必要があります。
マンションの空き家は、一戸建てよりも水漏れの影響が大きくなりやすいため、管理会社への連絡先を確かめ、止水の方法を把握しておいてください。マンションが空き家になった場合の考え方はマンションが空き家になったら?で解説しています。
空き家の水漏れを防ぐには?
最後に、水漏れを防ぐための管理の方法です。
止水栓は、閉めておくべき?
帰るたびに止水栓を閉めておくと、空き家にいない間に水漏れが起きても、被害を小さく抑えられます。次に帰ったときに止水栓を開けて通水し、排水管に水を流してから、また閉めて帰ります。
水道の契約そのものを止めると、掃除や片付けのときに水が使えなくなるため、契約は続けたまま、止水栓で止めておくのが現実的です。電気・水道を残すかどうかの考え方は空き家の電気・水道は解約していい?で解説しています。
通水は、なぜ必要?
止水栓を閉めたままにしておくと、排水管の中の水がなくなり、下水の臭いや虫が上がってきます。また、長く使わないパッキンは乾いて傷みやすくなります。
月に一度ほど、各蛇口から水を流し、トイレや排水口に水をためておくと、臭いを防ぎ、水まわりの傷みにも早く気づけます。換気と合わせた頻度の目安は空き家の換気はどのくらいの頻度が必要?で解説しています。
当社の場合
遠方にお住まいで頻繁に帰れない方には、室内プラン月8,000円(税別)で、換気と通水、雨漏りの確認を毎月行っています。冬に強い寒波が予想されるときは、臨時の確認を1回3,000円でお受けし、凍結による被害がないかを見に行きます。
空き家の水漏れについてよくある質問
止水栓の場所がわかりません。
多くの一戸建てでは、敷地の地面にあるメーターボックスの中に、水道メーターと一緒に止水栓があります。古い家では、ふたが土や草に埋もれていることもあります。見つからない場合は、名古屋市上下水道局のお客さま受付センターに問い合わせると、場所の確かめ方を案内してもらえます。
漏れた水の料金の減額は、どこに申し込みますか?
名古屋市上下水道局に申し込みます。市の指定水道工事業者が修理した場合は、業者が作る給水装置修繕届出書を出します。どのくらい減額されるかは、漏れた場所や状況によって変わるため、上下水道局に確認してください。
水漏れで床が傷んでいても、家は売れますか?
はい、売れます。修理してから売るか、そのまま古家付き土地として売るかを、修理の費用と売れる見込みの価格で比べて決めます。どちらの場合も、水漏れがあったことは買主に伝えます。売ったあとの責任の考え方は古い空き家を売ったあとで不具合が見つかったら?で解説しています。
水道の契約を止めておけば、水漏れの心配はありませんか?
水道の契約を止めると、上下水道局がメーターのところで水を止めるため、家の中の管に水は流れなくなります。ただし、片付けや掃除、通水のたびに再開の手続きが必要になり、排水管の臭いも上がりやすくなります。帰るたびに止水栓を閉める方法のほうが、使い勝手はよいことが多くあります。
遠方に住んでいて、水漏れのときにすぐ駆けつけられません。
名古屋空き家相談室では、鍵をお預かりしていれば、水漏れの連絡を受けたときに現地に行き、止水栓を閉めて状況を写真でご報告します。修理の手配のご相談にもお応えします。臨時の確認は1回3,000円です。
名古屋の空き家の水漏れは、止水栓を閉めることから始めよう
空き家の水漏れは、気づくまでに時間がかかるため、床や壁の傷みや高額な水道料金につながります。見つけたら止水栓を閉め、名古屋市の指定水道工事業者に修理を頼めば、漏れた水の料金の一部が減額されることがあります。帰るたびに止水栓を閉め、月に一度は通水とメーターの確認をすることで、被害を小さく抑えられます。
名古屋の空き家の水まわりでお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。