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空き家の境界がわからないときは?売る前の測量と、隣の人との立ち会いの進め方

「親の家を売ろうとしたら、境界がわからないと言われた」「隣の家とは塀で分かれているけれど、本当の境目がどこなのか誰も知らない」と困る方は少なくありません。古い住宅地の空き家では、測量図がない、境界の目印が見当たらないといったことは珍しくなく、そのまま売りに出すと、買主が見つかってから話が止まることがあります。

この記事では、空き家の境界を確かめる方法、売る前に必要になる測量の種類、隣の人や道路との立ち会いの進め方、隣の人が協力してくれないときの手段を解説します。

この記事の結論

境界がわからないときは、まず敷地の角に境界標が残っているかを探し、法務局で地積測量図があるかを確かめます。売るときは、隣の人と道路の管理者に立ち会ってもらって境界を確定する確定測量を、土地家屋調査士に頼むのが一般的です。隣の人が協力してくれない、連絡がつかないといった場合は、法務局の筆界特定制度で境界の位置を示してもらう方法があります。立ち会いには時間がかかるため、売ると決めたら早めに境界の確認から始めることが大切です。

空き家の境界は、どうやって確かめる?

最初に、自分で確かめられることから見ていきましょう。

境界標とは、どんなもの?

境界標は、土地の境目を示すために、敷地の角などに埋められた目印です。コンクリートや石の杭、金属のプレート、道路やブロックに打ち込まれた鋲などがあり、十字や矢印で境界の点を示しています。

古い家では、草や土に埋もれていたり、塀の工事の際に抜かれていたりして、見つからないことがあります。敷地の四隅と、塀の曲がり角のあたりを探してみてください。

法務局では、何を見ればいい?

法務局では、登記簿のほかに、地積測量図と公図も取れます。地積測量図は、土地の形や広さ、境界標の位置を示した図面で、土地を分けたときや面積を直したときなどに作られます。

ただし、地積測量図はすべての土地にあるわけではなく、古い時代に作られた図面は精度が低いこともあります。2005年以降に作られた地積測量図には、境界の点の座標が記載されているため、現地で位置を復元しやすくなっています。公図は土地のおおまかな位置と形を示す図で、正確な境界はわかりません。

塀があれば、そこが境界?

必ずしもそうではありません。塀は、どちらかの敷地の内側に建てられていることもあれば、境界の真上に建てられていることもあります。塀の位置と境界が一致しているとは限らないため、塀だけを頼りに境界を決めることはできません。

塀を誰が建てたか、どちらの持ち物かがわからない場合も多く、売るときに買主から確認を求められることがあります。

売るときに、なぜ境界が問題になる?

売却の場面で境界が問題になる理由を確認していきます。

買主は、何を求める?

買主は、自分が買う土地がどこからどこまでかを確かめたうえで買いたいと考えます。そのため、売買の契約では、売主が引き渡しまでに境界を示すと定めるのが一般的です。

特に、建物を壊して新しく建てる予定の買主や、住宅ローンを使う買主は、正確な面積と境界を求めることが多くなります。境界がはっきりしないままでは、買主が決まっても契約に進めないことがあります。

測量をせずに売ることはできる?

測量をせずに、登記簿の面積で売る方法もあります。公簿売買と呼ばれ、あとで実際の面積が違っていても代金を精算しないと決めて売買します。

ただし、境界そのものがはっきりしないまま売ると、買主があとで隣の人ともめるおそれがあります。公簿売買でも、境界標の位置は確認しておくのが一般的です。買取を行う会社に売る場合は、境界が未確定のまま引き取ってもらえることもあり、その分価格に反映されます。

売る前の測量には、どんな種類がある?

測量には目的によっていくつかの種類があります。

現況測量と確定測量は、何が違う?

現況測量は、塀や建物、境界標など、今ある物の位置を測って図面にするものです。隣の人の立ち会いはなく、短い期間でできますが、境界を確定したことにはなりません。

確定測量は、隣の土地の持ち主や道路の管理者に立ち会ってもらい、境界の位置を互いに確認して、境界確認書を取り交わすものです。売却ではこの確定測量を求められることが多く、時間はかかりますが、境界のもめごとを防げます。

測量は、誰に頼む?

境界の確定や、登記簿の面積を直す登記は、土地家屋調査士に頼みます。土地家屋調査士は、法務局の資料と現地の状況を照らし合わせて境界の位置を調べ、隣の人との立ち会いの段取りも行います。

測量の費用は、土地の広さ、隣の土地の数、道路との境界の確認が必要かどうかで変わります。売却にかかる費用の全体は空き家を売るときにかかる費用の一覧で解説しています。

確定測量には、どれくらいの期間がかかる?

隣の人や道路の管理者との日程調整、立ち会い、書類の取り交わしがあるため、数か月かかることも珍しくありません。道路との境界の確認は、役所の手続きに時間がかかることがあります。

売りに出してから測量を始めると、買主が決まっても引き渡しまでに間に合わないおそれがあります。売ると決めたら、売り出しと並行して、早めに測量を頼んでおくのが安全です。

当社の場合

売却のご相談では、登記簿と法務局の図面を取り寄せ、現地で境界標が残っているかを確認します。境界がはっきりしない場合は、確定測量が必要か、現況測量や公簿売買で進められるかをお伝えし、必要に応じて土地家屋調査士をご紹介します。測量の期間を見込んで、売り出しと引き渡しの時期を組み立てます。

実家の境界がわからず売れるか心配な方へ

法務局の図面と現地の境界標を確認し、どの測量が必要かをお伝えします。必要な場合は土地家屋調査士をご紹介します。現地確認は無料です。

隣の人との立ち会いは、どう進める?

確定測量で一番の山場になるのが、隣の人との立ち会いです。

立ち会いでは、何をする?

立ち会いでは、土地家屋調査士が調べた境界の位置を、現地で隣の人と一緒に確認します。双方が納得すれば、境界標を設置し、境界確認書に署名と押印をして取り交わします。

隣の人にとっても、自分の土地の境界がはっきりする利点があります。一方で、時間を取ってもらうことになるため、事前に目的と日程をていねいに伝えておくことが大切です。

遠方に住んでいて、立ち会いに行けないときは?

境界の立ち会いには、土地の持ち主か、その代理人が参加します。遠方に住んでいて名古屋に行けない場合は、土地家屋調査士に立ち会いを任せ、確認の結果を図面と写真で報告してもらう方法があります。

境界確認書への署名と押印は、郵送でやりとりできます。遠方からの売却の進め方は名古屋に一度も行かずに実家の空き家を売るには?で解説しています。

隣の土地に入らないと測れないときは?

2023年4月の民法の改正で、境界標を調べたり測量したりするために必要な範囲で、隣の土地を使えることがはっきり定められました。原則として、あらかじめ隣の持ち主に目的や日時を知らせる必要があります。

法律上の権利があっても、隣の人の協力を得て進めるほうが、その後の立ち会いも円滑になります。測量の前には、土地家屋調査士から隣の人にあいさつと説明をしてもらうのが一般的です。

隣の人が協力してくれないときは?

立ち会いを断られる、連絡がつかないといった場合の手段もあります。

筆界特定制度とは?

筆界特定制度は、隣の人との間で境界の位置がはっきりしないときに、法務局の筆界特定登記官が、専門家の意見を聞いたうえで境界の位置を示す制度です。裁判よりも費用と時間を抑えて利用でき、隣の人が立ち会いに応じない場合や、持ち主がわからない場合にも申請できます。

筆界特定で示された境界は、売却のときに買主へ説明する根拠になります。申請の手続きは、土地家屋調査士などの専門家に相談しながら進めるのが一般的です。

隣の家が空き家で、持ち主がわからないときは?

隣の家も空き家で、登記簿の持ち主が亡くなっている、住所に連絡しても返事がないといったケースもあります。この場合は、登記簿や住民票などから相続人を調べて連絡を取るか、筆界特定制度を使う方法を考えます。

名古屋の古い住宅地では、隣の家も同じように空き家になっていることがあり、境界の確認に時間がかかる原因になります。早めに状況を確かめておくと、売り出しの時期を決めやすくなります。

塀や木の枝がはみ出していたら?

測量の結果、塀や屋根、木の枝が隣の土地にはみ出している、あるいは隣の物がこちらにはみ出していることがわかる場合があります。これを越境といい、売るときには買主に伝える必要があります。

すぐに直せない場合は、将来建て替えるときに越境を解消することなどを、隣の人と覚書で取り決めておく方法があります。木の枝の扱いは、2023年4月の民法の改正で、一定の場合に越境された側が自分で切れるようになりました。草木の扱いは空き家の草木でご近所から苦情が来たらも参考にしてください。

当社の場合

隣の人との立ち会いが必要な場合は、土地家屋調査士と一緒に、隣の方へのあいさつと日程の調整をお手伝いします。遠方の売主の方には、立ち会いの結果を図面と写真でご報告し、書類のやりとりは郵送で進めます。越境が見つかった場合は、覚書で進めるか、買主に説明して売るかを、売り方とあわせてご提案します。

隣の人との境界の話し合いが不安な方へ

土地家屋調査士と一緒に、隣の方へのあいさつから立ち会いの段取りまでお手伝いします。遠方の方も郵送で進められます。現地確認は無料です。

空き家の境界と測量についてよくある質問

境界標が一つでも見つかれば、測量はいりませんか?

必ずしもそうではありません。境界標が一部しか残っていない場合や、その位置が隣の人と確認されたものかわからない場合は、確定測量を求められることがあります。残っている境界標が、法務局の図面と一致しているかを土地家屋調査士に確かめてもらうと、必要な測量の範囲がわかります。

測量した結果、登記簿の面積より狭かったらどうなりますか?

実際に測った面積と登記簿の面積が違うことは、古い土地では珍しくありません。実測の面積で売る場合は、売買代金を実測の面積で計算し直すことがあります。登記簿の面積を直す地積更正登記を行うかどうかは、買主と相談して決めます。

測量の費用は、売主と買主のどちらが払いますか?

売主が引き渡しまでに境界を示すと定めることが多いため、測量の費用は売主が払うのが一般的です。ただし、買取を行う会社に売る場合など、買主が引き受けることもあります。誰が負担するかは、売買の条件として決めておきます。

隣の人と境界でもめそうな場合、どうすればいいですか?

まずは土地家屋調査士に、法務局の資料と現地の状況から境界の位置を調べてもらい、根拠を示して話し合うのが基本です。それでもまとまらない場合は、筆界特定制度を使う方法があります。不動産会社は境界の交渉そのものには立ち入れませんが、当社では専門家のご紹介と、売却の時期の調整をお手伝いします。

境界が決まらないと、空き家は売れませんか?

必ずしも売れないわけではありません。公簿売買で売る、境界が未確定であることを買主に説明したうえで価格に反映する、買取を行う会社に引き取ってもらうといった方法があります。売れない理由の整理のしかたは名古屋で売れない空き家はどうする?で解説しています。

名古屋の空き家の境界は、境界標と法務局の図面を確かめることから始めよう

空き家の境界がわからないときは、境界標が残っているかを探し、法務局で地積測量図を確かめるところから始めます。売るときは隣の人と道路の管理者に立ち会ってもらう確定測量が求められることが多く、数か月かかることもあります。隣の人が協力してくれない場合は筆界特定制度もあるため、売ると決めたら早めに境界の確認に取りかかってください。

名古屋の空き家の境界や測量でお困りの方は、名古屋空き家相談室(0120-337-900、10時から19時、年中無休)にご相談ください。初回の相談と現地確認は無料です。

この悩み、まず現地を見てお伝えできます

初回の現地確認と相談は無料です。管理を頼むかどうかは、見てから決めてください。

akiya-ibuki

伊吹株式会社(不動産のイブキ)代表取締役。宅地建物取引士。国土交通大臣(1)第10691号。名古屋市西区を本店に、空き家の管理・活用・解体・売却の相談を受けています。

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