この記事の結論
空き家が狙われるのは、「人がいない」と外から分かるからです。あふれたポスト、伸び放題の草、何か月も閉まったままの雨戸、敷地に放置されたごみや古紙。これらが「この家は誰も見ていない」という目印になります。防犯の基本は、高価な設備よりも、月1回ポストを空にし、草を刈り、敷地の燃えやすい物を片付け、施錠を確認して「人の手が入っている家」に見せることです。侵入の形跡に気づいたら、触らずに写真を撮り、警察に連絡してください。
「空き家に誰かが入った形跡がある」「物置の中の物がなくなっていた」「近所で空き家の不審火があって不安」。空き家の所有者から、こうしたご相談をいただくことがあります。空き家がなぜ狙われるのか、どうすれば狙われにくくなるのかを整理します。
空き家で起きやすい被害
- 放火:敷地に置かれたごみ、古紙、枯れ草、物置の中の燃えやすい物に火をつけられる。人がいないので発見が遅れ、隣家に燃え広がることもあります。
- 侵入・居座り:窓や勝手口から入り込まれ、寝泊まりやたまり場に使われる。
- 窃盗:家財、骨董、物置の工具、エアコンの室外機や給湯器、銅線などが持ち去られる。
- 不法投棄:ごみが一つ捨てられると、次々に捨てられるようになります。
- 荷物の受け取り場所として悪用される:空き家の住所を送り先にして、詐欺などで得た荷物を受け取る手口が報じられています。
なぜ空き家が狙われるのか
狙う側が見ているのは、「この家に人の目があるかどうか」です。次のような家は、外から見て誰も管理していないと分かります。
| 目印 | 外からどう見えるか |
|---|---|
| チラシや新聞があふれたポスト | 何週間も誰も来ていない |
| 伸び放題の草、茂った庭木 | 何か月も手入れされていない。中に入っても見えにくい |
| 閉めっぱなしの雨戸・カーテン | 夜も明かりがつかない、人の出入りがない |
| 敷地のごみ、古紙、壊れた家具 | 捨てても気づかれない。燃やせる物がある |
| 割れた窓、外れた雨どいがそのまま | 壊れても直す人がいない |
壊れた窓や散らかった敷地を放置すると、さらに荒らされやすくなる、とよく言われます。最初の小さな乱れを放置しないことが、いちばんの防犯になります。
「空き家に見せない」ための管理
月1回、人の手が入っていることを見せる
- ポストのチラシを抜き、郵便物を回収する(空き家の郵便物はどうする?)
- 草を刈り、庭木を見通しのよい高さに保つ(空き家の草木でご近所から苦情が来たら)
- 敷地のごみや飛んできた物を片付ける
- 雨戸やカーテンは、閉めっぱなしにせず、巡回のたびに開け閉めの状態を変える方法もあります
燃えやすい物を外に置かない
- 家の外まわりに、古紙・段ボール・ごみ袋・枯れ草・木材を置かない
- 灯油やガソリン、スプレー缶を物置や軒下に残さない
- 物置は施錠し、中の燃えやすい物を減らす
- 使わないガスは閉栓し、電気を止めるならブレーカーを落とす(空き家の電気・水道は解約していい?)
鍵と施錠
- 玄関・勝手口・すべての窓・雨戸の施錠を確認する。2階の窓、浴室やトイレの小窓は見落としがちです
- 合鍵が何本あって、誰が持っているかを把握する。亡くなった親が知人や近所に預けていた鍵がないか確認する
- 鍵を植木鉢の下、ポストの中、メーターボックスなどに隠さない
- 古い鍵で不安があれば、交換を考える
設備で補う
- センサーライト:人が近づくと点灯する照明。電気を残しておけば、夜の侵入を防ぐ効果があります。電池式やソーラー式もあります。
- タイマー照明:夜の一定時間、室内の明かりをつける。人がいるように見せられます。
- 防犯カメラ:録画できるものを玄関や勝手口に。電源と通信の確保が必要です。
- 窓の補助錠・防犯フィルム:侵入に時間がかかる窓は狙われにくくなります。
ただ、設備をつけても、ポストがあふれて草が伸びていれば、空き家だと分かってしまいます。設備は月1回の管理の上に足すもの、と考えてください。
ご近所に連絡先を伝える
隣の方や町内会に「何かあればここに連絡を」と伝えておくと、不審な人の出入りや異変に気づいたときに教えてもらえます。ご近所の目は、何よりの防犯です。
当社の場合
空き家管理の巡回では、ポストの整理、敷地のごみの片付け、草木の状態に加えて、玄関・勝手口・窓の施錠と「こじ開けた跡」「割れた窓」「敷地に残された吸い殻や足跡」がないかを毎月確認しています。異変があればすぐにお知らせし、写真を報告書に残します。管理を始めるときに、お隣へのごあいさつと連絡先のお渡しも行っています。
侵入の形跡に気づいたら
- 中に入らない・触らない:まだ人がいる可能性があります。荒らされた物や足跡にも触れないでください。
- 写真を撮る:外から分かる範囲で、壊された箇所や異変を撮影します。
- 警察に連絡する:110番、または最寄りの警察署・交番へ。被害の届け出をします。
- 保険会社に連絡する:盗難や破損が火災保険の補償に入っていれば、届け出の内容が必要になります(空き家の火災保険に入れないと言われたら)。
- 壊された箇所を直し、再発を防ぐ:窓や鍵を修理し、侵入された経路をふさぎます。
空き家に誰かが入った形跡がある、近所で不審火があって不安な方へ
当社が現地を確認し、写真で状況をお伝えします。修理の手配と、狙われにくくするための管理をご提案します。遠方の方も電話と写真で進められます。
放火で隣家に燃え広がったら
空き家から出た火で隣家が燃えた場合、所有者に重大な過失がなければ、原則として賠償責任は負わないとされています。ただ、燃えやすいごみを敷地に放置し、近所から何度も注意されていたのに何もしなかった、といった事情があると、責任を問われる可能性があります。法律上の責任以前に、ご近所との関係は大きく損なわれます。燃えやすい物を片付けておくことは、自分の家だけでなく、ご近所を守ることでもあります。
まとめ:相談すると何が分かるか
空き家が狙われるのは、人がいないと分かるからです。月1回ポストを空にし、草を刈り、燃えやすい物を片付け、施錠を確認する。これだけで「人の手が入っている家」に見え、狙われにくくなります。設備は、その上に足すものです。
名古屋空き家相談室にご相談いただくと、次のことが分かります。
- 今の家が外からどう見えているか(ポスト・草木・敷地・窓の写真で)
- 燃えやすい物、施錠の弱いところ、侵入の形跡がないか
- センサーライトなど、その家に合った設備
- 毎月の巡回で「空き家に見せない」管理(空き家管理の内容と料金)
初回の現地確認と相談は無料です。被害が出る前に、ご連絡ください。