この記事の結論
実家の片付け費用は、家財の量、搬出の手間(階数・道路幅・エレベーター)、分別の手間、処分費の4つで決まります。同じ家でも見積もりが倍違うのは、この内訳の出し方と、処分費を正しく見ているかが業者ごとに違うからです。相場の金額を探すより、見積書に「車両・人員・処分費・特殊品」の内訳があるかを見てください。内訳がなく安すぎる業者は、許可を持たずに不法投棄している可能性があります。費用を下げる確実な方法は、業者を値切ることではなく、片付ける範囲を減らすことです。
「実家の片付け、いくらかかりますか」。このご質問に、現地を見ずに金額でお答えすることはしていません。同じ4LDKでも、家財の量と家の立地で費用が数倍違うからです。代わりに、費用がどう決まるかと、見積もりの見方をお伝えします。これが分かると、安すぎる業者と高すぎる業者の両方を避けられます。
費用を決める4つの要素
1. 家財の量
いちばん大きい要素です。業者はトラック何台分かで考えます。数十年住んだ4LDKの一軒家に押入れ・納戸・物置まで家財が詰まっていると、2トントラックで数台になることがあります。逆に、親がすでに整理していた家なら1台で済みます。
2. 搬出の手間
2階からの搬出、エレベーターのないマンションの上階、前面道路が狭くてトラックを家の前に止められない、といった条件で人員と時間が増えます。名古屋市内では、中村区・南区・瑞穂区などの古い住宅地で「道路が狭くて4トン車が入らない」ケースが多く、2トン車の往復回数が増える分、費用が上がります。
3. 分別の手間
可燃・不燃・資源・家電リサイクル対象(テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン)・危険物(スプレー缶・灯油・薬品)に分ける作業です。分別されていない家財が多いほど時間がかかります。仏壇・神棚・ピアノ・金庫・大型の家具は別料金になるのが一般的です。
4. 処分費
集めた家財を処分場に持ち込む費用で、重さと種類で決まります。ここを正しく見積もっている業者と、見ていない(あとで追加請求するか、不法に処分する)業者で、金額の差が出ます。
当社の場合
片付けのご相談では、当社が現地で家財の量と搬出経路を見て、名古屋市の許可を持つ業者または許可業者と提携する片付け業者2〜3社に現地を見てもらい、見積書を並べてお渡しします。内訳が揃っていれば、どこで差が出ているかが見えます。「一番安い」ではなく「内訳が説明できる」業者をおすすめしています。
見積書で確認する5つの項目
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 車両 | 何トン車が何台か。「一式」ではなく台数で書いてあるか |
| 人員 | 何人で何時間か |
| 処分費 | 別立てで書いてあるか。書いていない場合、どこで処分するのかを聞く |
| 特殊品 | 仏壇・ピアノ・金庫・エアコン取り外し・家電リサイクル料が別に書いてあるか |
| 追加料金の条件 | 「当日量が増えたら」の扱いが書いてあるか。口頭だけの業者は避ける |
この5つが書いてあれば、まともな見積もりです。「片付け一式 ○○万円」の1行だけの見積書は、比べようがなく、当日の追加請求の余地が大きいです。
安すぎる見積もりに注意
家庭から出るごみ(家財)を集めて運ぶには、名古屋市の「一般廃棄物収集運搬業」の許可が必要です。この許可は新規にはほとんど出ておらず、持っている業者は限られます。街で見かける「無料回収」「格安」のトラックは、ほぼこの許可を持っていません。
許可のない業者が安く引き受けた家財がどこに行くかというと、山や空き地に不法投棄されるケースがあります。不法投棄が見つかると、運んだ業者だけでなく、依頼した側(排出者)も責任を問われることがあります。「安かったから頼んだ」では済みません。
確認の仕方は簡単で、「名古屋市の一般廃棄物収集運搬業の許可はありますか。許可番号を教えてください」と聞くことです。自社で許可がない場合は「許可業者と提携している」と答えるはずなので、その提携先の名前を聞いてください。答えられない業者には頼まないでください。
見積もりを取る前に、家財の量と搬出経路を見せてください
当社が現地を確認し、許可を持つ業者の見積もりを複数並べてお渡しします。立ち会いの代行もできます。相談と見積もりの手配は無料です。
費用を下げる確実な方法は「範囲を減らす」
業者を値切っても、処分費と人件費は下がりません。費用を本当に下げるのは、片付ける範囲を減らすことです。
- 残したまま売る・解体する。家財が残ったままで買い取ってもらう、または解体業者に家財の処分ごと頼むと、片付けを単独で発注するより総額が安く済むことがあります。「先に全部片付けてから」と決めつける前に、家をどうするかを決めてください。
- 買い取れる物を分ける。比較的新しい家電・家具、貴金属、骨董、切手やカメラなどは買い取りで相殺できます。業者によって得意分野が違うので、片付けと買い取りを別にした方が得なこともあります。
- 名古屋市の粗大ごみ収集を使う。急がない場合、大型家具を少しずつ名古屋市の粗大ごみ(有料・事前申込)に出していく方法があります。手間はかかりますが、業者より安いです。遠方の方には向きません。
- 親族で持ち帰る物を先に決める。「あとで取りに来る」が残っていると、業者が手をつけられず、二度手間になります。
売却と同時に進めて、代金から精算する
片付けの費用を先に出すのが難しい場合、売却と片付けを同時に進めて、決済のときに売却代金から片付け費用を精算する進め方があります。当社で売却をお受けする場合、片付け業者の手配と支払いのタイミングをまとめて調整できます。遠方の方は、立ち会いも含めて一度も来ずに終えられます。
当社の場合
当社は不動産会社なので、家財の収集運搬は自社では行いません。その代わり、「どこまで片付ければ売れるか・貸せるか・壊せるか」を先に決めて、片付けの範囲を最小にすることを考えます。全部片付けてから「残したままでも売れたのに」となるのが、いちばんもったいないからです。賃貸の退去や引っ越しで残置物の処理を日常的に扱っている経験から、現実的な線をお伝えできます。
まとめ:相談すると何が分かるか
片付け費用は量・搬出・分別・処分費で決まり、相場の金額を探しても答えは出ません。見積書の内訳と、許可の有無を見てください。費用を下げるなら、値切るのではなく範囲を減らすことです。
名古屋空き家相談室にご相談いただくと、次のことが分かります。
- その家の家財の量と搬出条件から、見積もりがどのくらいの規模になりそうか
- 残したまま売る・壊す方が安く済むかどうか
- 許可を持つ業者の見積もりを複数並べた比較
- 遠方の方のための、立ち会い代行と売却代金からの精算の進め方
相談と見積もりの手配は無料です。片付けを始める前に、ご連絡ください。